近畿大学(大阪府東大阪市)の学生に対し、登下校時などに迷惑行為をしていると近隣から苦情が寄せられているとして、大学がメールで注意を呼びかけていることが分かった。中には、「東大阪の恥」「近大は要らない」といった厳しい言葉ももらっているという。一部の学生とみられているが、どんな現状があるのだろうか。「近隣にお住まいの方々から毎日のように大学に様々な苦情」このメールは、近大の学生部を差出人として、2025年10月7日付で配信された。「苦情について」と題して、学生に注意喚起している内容だ。「近隣にお住まいの方々から毎日のように大学に様々な苦情が寄せられています」メールでは、こう切り出し、中には厳しい言葉もあるとして、特に3つの点を厳守するよう学生に求めた。1つ目は、交通ルールや通行の妨げにならないことに配慮し、「登下校時の通学マナーを守る」ことを挙げた。2つ目は、大学近隣の民家の前で喫煙したり、歩きタバコやタバコのポイ捨てをしたりしないこと、3つ目は、酒を飲んで騒いだり、20歳未満の学生が飲酒したりしないことを挙げている。X上では、7日のうちにメールの画像が投稿されて、6万件以上の「いいね」が寄せられるほどの関心を集めた。文面を見ると、学生の迷惑行為が多い可能性が考えられることから、様々な意見も寄せられている。「多分、何処の大学でも同様なのだろう」との声もあったが、「学生がマナー守らず闊歩してる」「近場に住みたくはない」と近大生に対して厳しい見方も出ている。近大の広報室は14日、J-CASTニュースの取材に対し、拡散されたメールを学生向けに配信したことを認めた。「3つ挙げた内容の苦情が来ていますので、学生に対して注意喚起しました。苦情の内容が実際にあったのかについては、確認できていません」地元商店街「学生のマナーを気にする人が増えてきた」実際、大学近隣の迷惑になったり、マナーに反したりする近大生の行動は、どのくらいあるのだろうか。この点について、近大前商店会の事務局長は10月10日、多くの学生は礼儀正しくマナーも守っているとしながらも、ごく一部の学生に問題行動が報告されていると説明した。「お酒の飲み過ぎで酔った学生に、店を汚された、道端に嘔吐された、といったトラブルは聞きます。卒業式や新入生歓迎会のシーズンになると、増えてきますね。ゴミを道端などに散らかすといった行為も聞きます。昔から見られることで、特に最近増えたわけではないと思います」迷惑行為としては、学生が店の前に自転車を止め、そのまま大学へ行ってしまうといったケースもあったという。店が怒って大学に苦情を入れた結果、最近は減ってきているとした。また、学生たちが道幅いっぱいに歩いたり、歩きタバコなどをしたりすることも、以前は見られたという。大学が対策に乗り出し、車の通行に支障がないよう警備員を置いたり、歩きタバコなどは学生に注意したりするなど厳しい対応に動いたとしている。なぜ最近も近隣から苦情が多いのかについては、こんな見方をした。「昔は、『学生だから仕方がない』と寛容でしたが、今は、そんな時代ではないのでしょう。捉え方の問題で、学生のマナーについて気にする人が増えてきた感じがします。背景には、地元と学生との交流が減っていることなどがあると思います」(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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