居酒屋の店員とみられる男性らが、駆除したネズミの死骸を見せ合うなどして厨房内で悪ふざけする様子が映った動画がX上で拡散し、不衛生だと批判が相次いでいる。
この居酒屋チェーン「た藁(わら)や」を運営するコズミックホールディングス(大阪市)は、「不衛生かつモラルに欠いた行為」があったと取材に認めて謝罪し、「関与した従業員には厳重注意と就業停止処分を行いました」と明らかにした。
死骸を誰かに近づけたらしく、「止めて下さい!」
「笑い死んだ」。動画には、こんなコメントが表示され、男性ら2人が小さなネズミの死骸が乗ったネズミ捕りを見せ合っている。
「乗せる? ハハハハ...」
こんな笑い声が響くと、「ちょっと待ってよ、本当にこれ」などと困惑する声も上がった。
ネズミ捕りを持った2人は、死骸を誰かに近づけたようで、「止めて下さい!」との悲鳴も上がる。
うち1人がネズミを処分したらしく、厨房に戻って来た。この男性が、もう1匹を指差しながら後ずさりすると、また笑い声が上がる。
「やだー、これ殺人鬼」
こんな女性の声が聞こえ、男性がフライパンを手にして持って来るところで、動画が終わっている。
動画は、1分近くあり、「た藁や」の店舗であったバイトテロだとして、2025年10月14日にX上で取り上げられ、拡散している。
「た藁や」は、近畿地方を中心にチェーン店がいくつかある。コズミックホールディングスの広報担当者は23日、J-CASTニュースの取材に対し、た藁やの店舗で起きたことを認め、事実関係の調査結果を元に対応したと答えた。
その説明によると、アルバイト2人が10月11日の店舗営業時間外に、厨房内でネズミを捕らえた粘着状の「とりもち」を振るなどして騒ぎ、その様子を動画撮影した。
アルバイトのSNS投稿「軽率な判断で行ったもの」
また、「当該動画の撮影は営業終了後に行われており、食材・器具類への接触はなかったことを確認しております」としながらも、「撮影時、従業員間で不適切な言動が見られたことは事実であり、衛生管理意識及びモラルに欠ける行為であったと認識しております」とした。
そして、「厨房内で不衛生かつモラルに欠いた行為を行い、その模様を撮影した上、動画をSNS上で投稿したことは不適切であり、社内規定に基づき関与した従業員には厳重注意と就業停止処分を行いました」と明らかにした。
動画については、アルバイトの1人がSNS上で投稿したとし、その「軽率な判断で行ったものであり、弊社は一切関与しておりません」と説明した。
今回の行為を受け、同社では、10月12~21日に厨房やバックヤードの衛生点検・駆除対応を行い、全従業員を対象とした衛生管理やSNS利用ルール研修、店舗内防犯カメラの設置強化や夜間巡回体制の見直しも実施したという。
そのうえで、次のように締め括っている。
「今回の件を通じて、従業員教育と店舗衛生体制の重要性を改めて痛感しております。弊社は、今後もお客様に安心してご利用いただける店舗運営を徹底し、信頼回復に全力で努めてまいります。ご指摘の件につきまして、お客様はもちろん、動画に接した方々にご不快な思いとご不安を抱かせることとなりましたことを心よりお詫び申し上げます」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)