「私たちはそのような心のない方たちに負けません」
今回の愛護家投稿に対し、秋田県の関係者からは、戸惑う声が聞かれた。
宇佐見康人県議(自民党)は10月29日、「どうせなら東北で作られた電気なども使わないでほしいです」とXで切り出し、こうした投稿は、状況に対する想像力が乏しく口先だけに終わっていると指摘した。
秋田での居酒屋探訪などを呼びかけている秋田県人会の1つ「あきたいざたん」は同日、「熊騒動の中、秋田県産品の不買を促したり、秋田の価値を下げるような投稿があるようです」とXへの投稿で明かし、こう訴えた。
「私たちはそのような心のない方たちに負けません。秋田から仕入れている秋田アンテナショップや秋田居酒屋飲食店を応援して盛り上げよう!!」
この投稿は、3000件以上の「いいね」が集まり、苦境にあえぐ秋田を応援しようとの賛同の声が相次いでいる。
愛護家のような抗議はどのくらいあるのかについて、秋田県の自然保護課にJ-CASTニュースが取材しようとしたが、クマ対策に追われていて取材対応は難しいとのことだった。農産物販売を進める県の農業経済課は、「不売運動」のような情報は入っていないと取材に説明し、「何もコメントできません」と答えた。
今回投稿した愛護家は、その後SNSを公開に戻し、農産物の不買運動ではなく、「不売運動」だったと主張した。自身に対し、秋田から出て行くようにとの声が寄せられているとし、クマを助けたかったのが目的で、投稿で傷付く人がいたとしたら謝罪したいと述べた。今後は、クマについての投稿は控えたいという。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)