注意したいのにできない...胸に残る「歯がゆさ」
「よく言ってくれた、と思いました。でも同時に、怒鳴られた女性の表情が怖くて、自分も何もできなかったことが悔しくなりました」
男性は次の駅で下車。その際、舌打ちをしたのだとか。
「朝からイヤな気分になってしまって、仕事に行く前にぐったりでした。ほんの数分の出来事なのに、すごく心に残ってしまいました」
マナー違反をする人が一人いるだけで、空気全体の秩序が崩れてしまう。しかし、注意することがトラブルを招く時代、誰も動けないまま時間だけが過ぎていった。
「正しいことをしても報われない空気が、いちばん腹が立ちます。だからこそ、自分は絶対に同じことはしません」
電車内という誰も動けない沈黙の空間。その重い空気が、通勤電車の現実を物語っていた。