2025年のオフシーズン、村上宗隆(ヤクルト)、岡本和真(巨人)がポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を表明する中、去就が不透明な選手が辰己涼介(楽天)だ。球界屈指の外野守備、今季は攻守で精彩を欠く辰己はメジャー志向が強く、球団にポスティングシステムでメジャー挑戦の希望を伝えたが、球団は認めていない。今年の成績を考えるとやむを得ないだろう。球団記録を更新する16連続盗塁を成功させたが、打撃の状態が上がらずに2度のファーム降格を経験。114試合出場で打率.240、7本塁打、32打点と不本意な成績に終わった。球団がポスティングシステムの利用を許可するかは、チームへの貢献度が大きなポイントになる。昨年は最多安打のタイトルを獲得し、4年連続ゴールデングラブ賞を受賞するなど球界屈指の外野守備に定評があるが、今季は攻守で精彩を欠いた。残留して来年取得予定の海外FA権を行使する道も今オフのメジャー挑戦が現実的でない中、新たな選択肢として考えられるのが他球団移籍を視野に入れた国内FA権の行使だ。「好条件を勝ち取りたいなら、メジャーより国内他球団への移籍だと思います。外野が手薄な球団が多いですし、広い守備範囲と強肩を誇る辰己は魅力的な選手です。米国挑戦でマイナー契約を覚悟するなら、楽天に残留して来年取得予定の海外FA権を行使する道があります」(スポーツ紙デスク)辰己は個性的な性格で知られ、昨オフに行われたゴールデングラブ賞授賞式では頭部から足元まで金色に染めた奇抜な姿で登場。会場は騒然とした空気となったが、「2年前に上下ゴールドで来ますと約束したので、約束通り上下ゴールドできました」と涼しい表情を浮かべていた。今オフの去就も、まさかのサプライズが起きるか。(中町顕吾)
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