黒人男性が女性の後ろに立ち...防犯カメラ映像が波紋 渋谷のケバブ店「ホテルに使うな」と怒る、男女は謝罪

   東京・渋谷の道玄坂にあるケバブ店が、イートインスペースなどをホテル代わりに使われたと、若い男女の画像をX上で一時投稿し、怒りをあらわにした。

   防犯カメラに映っていたといい、警察に相談するとも明かした。その後、女性と男性がそれぞれ謝罪に訪れたという。なぜこんな迷惑行為をしたのだろうか。

  • イートインスペース(写真は、バランケバブ提供)
    イートインスペース(写真は、バランケバブ提供)
  • BARAN KEBAB@BARANKEBAB1のX投稿から
    BARAN KEBAB@BARANKEBAB1のX投稿から
  • イートインスペース(写真は、バランケバブ提供)
  • BARAN KEBAB@BARANKEBAB1のX投稿から

「不当な目的で利用されているので、警察に相談します」

   帽子をかぶった黒人男性が、20代前半ぐらいの女性の後ろに立って、カーディガンを羽織った肩付近に手をかけている。画像を見ると、女性は、不安そうな表情だ。

   カウンターとイスが設置されたイートインスペースの奥の方だった。

   警戒したのか、男性が入口側を鋭い目で見る別の画像もあった。

   これらの画像は、渋谷・道玄坂交差点にある「バランケバブ(BARAN KEBAB)」が2025年11月9日にXで投稿した。画面には、同日の朝6時過ぎの時刻が表示されていた。

「当店のイートインスペース、トイレはホテルではありません。性行為をしたいのであればホテルをご利用下さい。不当な目的でイートインスペースを利用されているので、警察に相談します。謝罪などは一切は受けません」

   店は、「♯不法侵入」とハッシュタグを付けて不快感を示した後、このように警告した。

   女性が不安な表情を浮かべていたことから、男性に脅されているのではないかとの指摘もあったが、店は否定した。スタッフからの情報や防犯カメラ2か所の映像を確認した結果、「同意の上での行為だと思われます」との見方を示した。女性は、男性の手招きについて行き、事後に男性とベタベタしており、スタッフが2人に気づいて注意したところ、女性は、「ソーリー」と言っていたという。

   投稿された画像は、ネット上で拡散し、騒ぎが広がった。

   その後、女性が翌10日、店へ謝罪に訪れたと別の投稿で店主が明かした。

「もちろん、彼女らがやったことは許される事ではありませんし、清掃の費用も請求したい気持ちはありましたが、酷く反省した様子で彼女1人で謝罪に来たという勇気に免じてポストの方は削除しました。今後とも何かありましたらそれなりの対応します」

「トイレを貸してほしい」と男性が言ってきたが...

   店をホテル代わりに使われたことについて、バランケバブのマネジャーは11月11日、J-CASTニュースの取材に応じて、その状況を説明した。

「イートインスペースの奥にトイレがありまして、そこに男女が入りました。15分ほどこもっていましたね。スタッフが催促して、2人が出てきました。トイレは、個室1か所のみで、普通は1人で入ります。トイレから聞こえた声など中の様子から、性行為をしていたと判断しました」

   2人は、ケバブなど店の商品は買わず、男性が「トイレを貸してほしい」と言ってきたという。しかし、1人ではなく、2人でトイレに入っていた。女性は、酒に酔った様子だったが、男性は、分からなかったという。

「男性は、ストリートナンパして来たようでした。女性は、別の店で飲んできたといい、なぜこんなことをしたか聞くと、『お酒を飲んだ勢いでした』と答えていました」

   道玄坂には、ラブホテル街があり、利用できるホテルは多数ある。「店を1年ぐらいやってきて、こんなことは初めてです。注意喚起のため、Xで投稿しました。トイレなどを清掃して、現在は通常営業しています」と説明した。

「男性からも、電話が来て、謝罪に来ることになりました。男性は、大学に通っていると言っていました。トイレが汚されていたので、男性には、清掃代を求めたいと考えています。女性が早く謝罪に来ましたので、その差を考慮しました。警察に被害届を出すかを含めて、弁護士に相談しているところです。話を聞いて、対応を考えたいと思っています」

   その後、11日夜に男性が店へ謝罪に訪れている。バランケバブは、Xを更新して、「ご報告」を投稿した。

「今回の件は謝罪を受け入れることにいたしました」

   その報告では、オーナーや男性など3人で話し合いをしたとし、「その結果、今回の件は謝罪を受け入れることにいたしました」と明かした。「謝罪の内容や弁済については公表する予定はありませんが、真摯に向き合ってくれたことに感謝しています」とした。

「もちろん、お店としては決して許される行為ではありません。ただ、一個人として、反省し前を向こうとしている若い世代に対し、さらに傷つけるようなことはしたくないと思いました」
「都合の良いように聞こえるかもしれませんが、これからも『悪いことは悪い』と伝えながらも、人を責めるよりも、気づきを与えられる大人でありたいと思っています」

   そして、「今回の出来事を通して、改めて人とのつながりや思いやりの大切さを感じました」として、「関わってくださった皆さま、本当にありがとうございました」と謝意を示した。

「もしあなたの周りにも間違った方向に進もうとしている人がいたら、ぜひ優しく声をかけてあげてください。その小さな思いやりの連鎖が、きっと誰かの明日を少し良くするはずです」

   投稿では、「様々な意見がありますと思いますが、こちらの件はこれにて終わりです」としている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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