東京・上野公園にある日本最古の博物館「東京国立博物館」(以下、東博)が2025年11月10日に発表した、本館の前庭にある大きな池を撤去し芝生エリアに改修する新プロジェクト「TOHAKU OPEN PARK PROJECT」に対し、反対意見がネット上で相次いでいる。
東博「誠実に対応して参りたい」
東博の発表によると、同プロジェクトは27年3月の完成を予定している。「誰もが快適に利用できる開かれた博物館」の実現を目指し、前庭の池を芝生エリアに改修。子どもや高齢者、障害者、外国人など、誰もが快適・安全に過ごせる憩いの場に変えるという。
また芝生エリアを活用し、コンサートやビアガーデンなどのイベント開催も計画。東博が公表したイメージ図では、夜間イベントの様子が示されている。本館エントランス前に大きなステージが設置され、芝生エリアから多くの利用者が観覧する光景だ。
だがこのプロジェクトに対し、SNSを中心に反対意見が相次いでいる。
「歴史的景観を形づくる池をつぶして芝生にしたら、二度と戻せません」
「国を代表する博物館として歴史風景を大切にしてほしい」
「上野には既にイベント会場も余るほどある」
「博物館は静かである事に価値があります」
などの声が続々と上がっている。上記を含めた反対意見を要約すると、(1)前庭の池も歴史的景観の一部ではないか(2)新たなイベントスペースは必要ないのではないか(3)静かな場所が魅力ではないか――という3つになる。
J-CASTニュースは13日、こうした意見に対する見解などに関する取材を東博に申し込んだ。すると同館からはメールで、「皆様からお寄せいただいているご意見を真摯に受け止め、誠実に対応して参りたい」とし、近日中に情報を発表する予定だとの返答があった。