「遺品整理と相続」の落とし穴
遺品整理は単なる片づけではなく、「財産確認の作業」と考えるべきだ。現金や不動産だけでなく、趣味の品や貴金属も相続税の対象になる場合がある。価値を確かめずに処分すれば、財産目録の作成や申告に影響するおそれがある。
家族の信頼を失わないためにも、「早く片づける」より「正しく残す」ことを優先したい。整理の段階から専門家に相談し、第三者が財産の内容や価値を確認できる体制を整えることが、結果的に、トラブルを防ぐ最も確実な方法である。
【プロフィール】
石坂貴史/証券会社IFA、AFP、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、マネーシップス運営代表者。「金融・経済、住まい、保険、相続、税制」のFP分野が専門。