神戸マラソンの名誉会長を務める斎藤元彦・兵庫県知事は2025年11月16日、神戸市中央区の同市役所をスタート地点とする「神戸マラソン」で約6キロの距離を走った。沿道から知事に対して「斎藤知事がんばって」などと応援の声が掛けられた一方、スタート地点付近の沿道では知事を支持しない人が「斎藤辞めろ」と大声で叫ぶ一幕もあった。警護約10人と携帯2台で常時撮影の「厳戒態勢」斎藤知事は、スタート地点で赤の帽子、ブレザーを着用して登場し、スターターを務めた。斎藤知事は、後半のスタートとなる第2ウェーブの先頭で出走し、「斎藤元彦」と書かれたゼッケンをつけながら、約6キロ地点にあるJR新長田駅付近まで1キロ当たり6分半ほどのペースで走った。記者が現地を訪れると、沿道からは知事が走っていることに驚く人や「斎藤さん頑張れ」と声を掛ける人も多く、年代別だと特に40代、50代の女性が多い印象だった。ランナーの中には、知事とハイタッチする人や走りながらスマートフォンで撮影する人もいて、知事も笑顔でサムズアップをして応じるなど人気を集めていた。また、沿道からの声援には、ピース、サムズアップ、手を振るといった姿を見せていた。一方、兵庫県警の警護約10人が四方を囲むように警備。特定のランナーを排除する様子はなかったものの、常時、携帯端末2台で知事の周囲を撮影する「厳戒態勢」が取られていた。また、スタート地点付近の沿道では「斎藤辞めろ」と声を上げる、知事を支持しない人もいたが、その他の沿道では同様の抗議はなかったとみられる。知事の支持率は「支持する」「支持しない」が拮抗11月16日の夜、斎藤知事はXに、自身が走る写真とともに「沿道で温かく声援を送ってくださった市民県民の皆様、そしてボランティアをはじめ運営に携わられた全ての方々に心から感謝申し上げます」と投稿した。斎藤知事は、23年にも神戸マラソンのコースの一部を走っている。Xでは、こうも書いていた。「私も2年ぶりに走らせていただきました。表彰式出席のため途中までの参加でしたが、沿道やランナーから響く『頑張って』という温かい声に、大きな力をいただきました。本当にありがとうございました」一方、斎藤知事の支持率は、賛成と反対で「分断」が起きている。読売新聞によると、25年7月の参院選の出口調査で、斎藤知事を支持するかどうかについて尋ねると、「支持する」が46%、「支持しない」が50%と拮抗。定例記者会見でも外で知事の辞職を求めるデモが毎週のように行われるなど他県で見ることのない異例の状況が続いている。
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