2025年のシーズンオフ、国内FA権を行使して動向が注目される選手の一人が、辰己涼介(楽天)だ。以前からメジャー志向が強く、今オフに球団と話し合いの場でポスティングシステムによるメジャー挑戦の希望を伝えたが認められなかった。5年連続ゴールデングラブ賞を受賞も...打撃は精彩欠くポスティングシステムはチームへの貢献度を評価されて容認される要素が強い。辰巳は今年、114試合出場で打率.240、7本塁打、32打点と打撃で精彩を欠き、中堅のレギュラーも手放す形に。5年連続ゴールデングラブ賞を受賞したが、不完全燃焼に終わった。楽天に来年も残留して27年に海外FA権を取得する道があったが、国内FA権の行使を決断。他球団の編成担当は「外野の守備能力は超一級品であることは間違いない。足も速いし、打撃も決して悪くはない。ただ、メジャーでのプレーを熱望していたと報道されていたので、国内FA権を行使した真意を測りかねる部分がある」と戸惑いを口にする。今年は試行錯誤を繰り返したが、昨年は全試合出場で最多安打のタイトルを獲得するなど、打撃は向上している。昨年、今年と2年連続20盗塁をマークしていることから、機動力も大きな武器だ。チーム状況を見渡すと、巨人、ヤクルト、オリックスは外野陣が手薄で補強ポイントになっている。スポーツ紙デスクは「サービス精神旺盛で個性的な性格なので、伝統を重んじる球団より伸び伸びとしたチームカラーの方が合うかもしれません」と指摘する。楽天が「宣言残留」を認めていることから、愛着の強いチームで来季もプレーする可能性はある。辰己が下す決断はいかに。(中町顕吾)
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