立憲民主党・岡田克也衆院議員が2025年11月27日にXを更新し、台湾有事をめぐる高市早苗首相の「存立危機事態」発言の問題点を改めて動画で解説した。そして、「非常に大きな危機感を持ってるんです。ほっとくと戦争の道に至るかもしれない」と心境を語った。
岡田氏「私は本当に大変な状況だと思います」と心境
岡田氏は7日の衆院予算委員会で、台湾有事を念頭に「どういう場合に存立危機事態になるのか」と繰り返し質問。この過程で、高市氏は「(編注:中国が)戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になり得る」と答弁していた。
高市氏のこの発言が波紋を広げる一方、答弁を引き出した岡田氏を批判する声がSNS上で上がった。例えば「誘導尋問だったな」「しつこく聞く」「全責任は岡田にある」「質問のやり方が悪い」などの意見がXに書き込まれている。
立憲・野田佳彦代表は26日の党首討論で、岡田氏への批判に言及。「質問した人が批判に晒されている」「発言者の責任が重たい」と高市氏に述べた上で、発言の真意を尋ねた。これに対し、高市氏は「具体的な事例を挙げて聞かれたので、私は誠実に答えたつもりだ」などと回答している。
こうした中、岡田氏が27日にXを更新し、改めて「高市発言の何が問題か」について動画で解説。自身が抱く危機感を語った上で、問題点を指摘した。なお岡田氏は27日以前にも同様の動画をXに投稿している。
まず、高市氏が「踏み込んだ総理発言」を行ったことを批判。7日の答弁に出てきた表現を挙げ、「今まで総理や閣僚が決して言わなかったことを、高市さんが踏み込んで言った」と批判した。
こうした発言によって、安易に「存立危機事態」が認定されてしまうとも。岡田氏は「存立危機事態」は「日本が武力行使すること」だと解説し、「軽々しく言うことでは決してないと思います」と訴えた。
最後に、台湾有事の場合でも「存立危機事態」に認定されるのは極めて例外的だと指摘。法律上の定義を紹介した上で、「日本自身が攻撃を受けたときと同じような大変な事態がない限り、存立危機事態の認定は出来ないんです。高市さんはそこを全く触れずに、非常に安易な発言をしている。これは、私は本当に大変な状況だと思います」と述べた。
だがこの投稿に対しても、X上では批判が相次いでいる。「あなたが『踏み込ませた』のでしょ?」「具体例を挙げて言わせたのは岡田克也さんですね」「言い訳すんな」「あなたの質問自体が一番問題です」「執拗な誘導尋問があったことが問題だよね?」などのコメントが寄せられている。