中国からの訪日客減で「経済損失1.79兆円」をカバーできるかも 台湾や韓国、欧米の観光客は増え日本人も国内旅行に

   高市早苗首相が2025年11月7日の衆議院予算委員会で、台湾有事をめぐり「存立危機事態」に言及して以降、中国政府が態度を硬化させ、日中関係が冷え込んできた。

   政治的対立の影響が、経済・市民レベルの往来にまで波及し、とくに観光分野への大きな影響が懸念されている。多額の経済損失を予測する専門家もいるが――。

  • 日本へ旅行する中国人観光客が減ってきた
    日本へ旅行する中国人観光客が減ってきた
  • 観光客で混雑する京都駅前のバス停(写真:田中庸介/アフロ)
    観光客で混雑する京都駅前のバス停(写真:田中庸介/アフロ)
  • 日本へ旅行する中国人観光客が減ってきた
  • 観光客で混雑する京都駅前のバス停(写真:田中庸介/アフロ)

「訪日自粛」で旅行客のキャンセルが続く

   中国外務省は11月14日、「今年に入ってから、日本の治安は悪化」していると、訪日自粛を呼びかけた。

   さらに同26日夜には日本の中国大使館が、日本への渡航自粛を再度呼びかけ、日本にいる中国国民に対して注意喚起を促すまでに至っている。

   これらの通達は渡航を禁止するものではないが、中国国民に与える影響は極めて大きい。

   実際、中国国内の旅行プラットフォーム「携程(Ctrip)」など複数の大手旅行会社は、日本旅行の販売を停止している。

   国内の航空・旅行会社では、中国発の団体旅行キャンセルが相次ぎ、港湾寄港の変更も進行中だ。

   中国発の複数のクルーズ船は日本寄港を取りやめ、韓国・済州などへ迂回し始めたという動きも報じられている。

   香港当局も、地震・台風などの自然災害、クマによる襲撃事案などを含め、「政治的要素に限定されない"広義の安全リスク"」があるとして、渡航への注意喚起を行っている。

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