今年1~9月における訪日客数全体の23.7%
こうした傾向から、近年"爆買い"などのキーワードに象徴されるように、増加傾向にあった中国から日本へのツアー客が減少することが見込まれる。
観光立国を掲げる日本にとって、看過できない事態である。
野村総合研究所(NRI)の木内登英氏は11月18日、中国からの訪日客数が昨年10月から今年9月までの922.1万人、さらに今年1~9月における訪日客数全体の23.7%と、国別最大であることを指摘。そのうえで、中国・香港からの日本旅行が1年間で25%減少した場合、経済損失は合計1.79兆円、名目GDPを0.29%押し下げると試算している。
この数字には、宿泊・交通・小売といった旅行関連消費に加え、地方への波及効果も含まれる。
短期的には、中国・香港発のキャンセル集中や手配解約によるコスト増、さらに観光業に関わるスタッフやアセットの遊休化も収益を圧迫する可能性が高く、これは観光地の受け皿を整備してきた事業者ほど大きな痛手を被ることになる。