日中の対立を背景に、浜崎あゆみさんら日本のアーティストが中国での公演中止に相次いで追い込まれている問題で、小野田紀美クールジャパン戦略担当相は2025年12月2日の記者会見で、「民間企業による個別のイベント」だとして論評を避けた。表立った対中批判を展開することで対立が激化することを避けた可能性もある。クールジャパン戦略では「日本ファンを効果的に増やす取組」など掲げる上海での日本人アーティストのパフォーマンスをめぐっては、浜崎さんは11月29日に予定されていたコンサートを中止し、予定されていた楽曲を観客がいない会場で披露。11月28日には、歌手・大槻マキさんの歌唱中に突然背景が暗くなって演奏が止まり、スタッフ2人に誘導されてステージから退出する動画が拡散され、衝撃が広がった。一連の事案への所感を問われた小野田氏は、「ご指摘の報道についてはもちろん承知しているが、民間企業による個別のイベントで、どういうことがあったかということに対してはコメントを差し控えさせていただきたい」と述べるにとどめた。クールジャパン戦略では、取り組みとして「日本ファンを効果的に増やす取組」などを掲げている。今回の事案で中国のファンを増やすハードルが上がったとの見方もできる。牛乳一気に飲み干して「あー、うまっ!」戦略を見直す可能性について問われた小野田氏は「クールジャパン戦略に関しては日本の素晴らしいコンテンツ、そして文化を世界に発信することで日本のファンを増やそうというというのはそのとおりだが、どこか特定に偏るというものではなく、全世界にファンを増やしていくことを目的に頑張っているので、そのために我々としてしっかりサポートをしていきたい」などと話した。小野田氏は会見冒頭、鈴木憲和農水相から「お声がけをいただいた」として、牛乳や乳製品の消費拡大をPRした。コップに入った牛乳を一気に飲み干して「あー、うまっ!(口元が白くなる)ヒゲ、大丈夫ですかね?」。記者席からは「おお~」という声があがっていた。(J-CASTニュース編集委員兼副編集長工藤博司)
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