LCCとして、事前に座席を買い求める必要があった
このトラブルで、上海便は、出発から約2時間20分後に成田へ緊急事態で引き返し、22時50分ごろに成田に到着した。中国メディアによると、男性客は、警察に連行され、他の乗客は、補償金約1万円の支給を受けて、翌2日10時の成田発の代替便で上海へ向かったとしている。
スプリング・ジャパンの広報担当者は、J-CASTニュースの取材に対し、上海便が引き返した経緯について説明した。
それによると、トラブルを起こした客は、「座席を移動したい」と客室乗務員に要望した。しかし、LCCとして、事前に座席を買い求める必要があるため、乗務員が拒否したところ、客が「納得できない」として騒ぎ出したという。
「説明に従っていただけず、座席をめぐるトラブルになって、機内で安全阻害行為が発生しました。トラブルが長時間にわたって続き、安全運航の継続が難しいと判断し、成田に引き返しました。他のお客様には、宿泊相当分の金額をお支払いしました」
トラブルを起こした客に対して、警察に被害届を出したか、損害賠償は請求したか、については、回答は差し控えたいとした。
今回の男性客と客室乗務員とのトラブルは、どんな状況だったのだろうか。
千葉県警の成田国際空港署は12月4日、次のように取材に説明した。
「機内トラブルがあって、乗務員の話を聞かず、引き返して来たと聞いています。トラブルは、ご家族のことについてだと思います。安価で運航しており、追加料金の規定があって、決まった席を変えられないことを巡るトラブルだと聞いています。機長が警察に通報してきて、事情を聴くため、現場に警察官を派遣しました」
ただ、トラブルを起こした客を逮捕するなどはしなかったという。
「航空会社から被害届が出ていませんので、事件の捜査はしていません。これ以上、細かい内容については、説明を差し控えたいと思います」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)