ワークマン、堅調な業績...幅広い層をターゲットに リカバリーウエアが新たな顧客層を開拓

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   作業服専門店から一般消費者向けアパレルブランドへと華麗な転身を遂げたワークマン。一時期はテレビ番組での特集やキャンプブームの後押し、「ワークマン女子」という新業態の誕生などもあり、話題を集めた。現在でも業績が堅調なワークマンの実力は――。

  • 業績が堅調なワークマン、背景は?
    業績が堅調なワークマン、背景は?
  • リカバリーウエア「MEDIHEAL(メディヒール)」(プレスリリースより)
    リカバリーウエア「MEDIHEAL(メディヒール)」(プレスリリースより)
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    リカバリーウエア「MEDIHEAL(メディヒール)」(プレスリリースより)
  • 業績が堅調なワークマン、背景は?
  • リカバリーウエア「MEDIHEAL(メディヒール)」(プレスリリースより)
  • リカバリーウエア「MEDIHEAL(メディヒール)」(プレスリリースより)

10月は既存店売上高が前年同月比2割増の快進撃

   ワークマンの「2026年3月期 月次前年比速報に関するお知らせ」によると、2025年10・11月は全店売上高がそれぞれ前年同月比126.2%、114.1%、既存店売上高が119.5%、107.9%と大幅な伸びを記録した。既存店客数も112.5%、105.3%、客単価も106.2%、102.5%と堅調に推移している。

   秋物衣料や通年商品が売上を牽引したことなどが要因だが、なかでも注目されるのはリカバリーウエアの販売が好調だったことだ。さらに10月下旬の気温低下に合わせ、冬物のアウターやインナーウエアなども動き始めたとしている。

   「2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信」によれば、業績の好調さはさらに明確になる。

   第2四半期累計(4月~9月)は、営業総収入が前年同期比15.7%増の761億円、営業利益が21.1%増の144億円、中間純利益が22.5%増の92億円と、いずれも2ケタの伸びを記録した。

   チェーン全店売上高は11.4%増の1015億円、既存店売上高は6.8%増と堅調だった。これを受けて同社は通期の業績予想を上方修正。営業総収入1550億円(前期比13.2%増)、営業利益282億円(同15.6%増)を見込んでいる。

   また、決算短信や月次前年比速報によると、新業態の「ワークマンカラーズ」は54店舗に達し、第2四半期中には17店舗を新規出店し、展開を加速させている。

   ワークマンカラーズは、女性向けに特化するのではなく、男女を問わずファッション性を重視した業態だ。同社は決算短信の中で「幅広い集客が見込まれる商業集積地への出店を加速させ、客層拡大を推進」と説明している。幅広い層をターゲットにした戦略がうかがえる。

品薄状態で話題のリカバリーウエア

   好調の要因の1つが、リカバリーウエア「MEDIHEAL(メディヒール)」の投入だ。決算短信には「機能性とリーズナブルな価格が評価されて大きな話題を呼び、売上伸長及び客層拡大に貢献」と明記されている。

   店頭では品薄状態が続いた。SNSでは「3店舗回ってやっと買えた」といった声も見られるほど。シャツ、パンツがそれぞれ税込1900円という手頃な価格設定ながら、一般医療機器として届出済みという本格仕様が特徴だ。

   また、熱中症対策商品のファン付きウエアなど、季節に応じた機能性商品の品揃え強化も効を奏している。これらが要因となり、プライベートブランド商品のチェーン全店売上高構成比は65.4%に達し、前年同期比で1.3ポイント上昇した。

   新たに開始した公式アプリも、商品検索や情報発信を強化するツールとして機能している。

出店も継続で1086店舗に

   出店ペースでは、9月には8店舗、10月には11店舗、11月には5店舗を新規出店し、店舗数は1086店舗(11月末現在)に達した。内訳はワークマン260店舗、ワークマンプラス707店舗、#ワークマン女子55店舗、ワークマンカラーズ54店舗、ワークマンプロ10店舗となっている。

   既存店のリニューアル改装も積極的に実施しており、第2四半期中には37店舗で改装転換を行った。顧客満足度の向上による売上の安定化を図る狙いだ。

   ワークマンは着実に顧客基盤を固め、成長を続けている。「日常着の定番」へと成熟しつつあるといえそうだ。

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