オーストリア大使館観光部の公式Xアカウントが2025年12月23日、コミックマーケット(コミケ)への参加を取りやめることを報告した。
「特製ポストカードを限定配布。東京ビックサイトでお会いしましょう」
大使館観光部公式Xは21日、「オーストリア観光公式 大晦日コミケにお邪魔します」として、漫画家として活動する傍ら、作曲家創作漫画を発表している「留守key」さんのスペースで世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット 107」に参加することを報告した。
「というわけで #オーストリア漫画プロジェクト 始動します 第一弾はコミケの留守keyさんブースにて、来年270歳の"あの人"の特製ポストカードを限定配布。東京ビックサイトでお会いしましょう」
続く投稿では、「中の人、これまでコミケと縁がなく、#C107 の意味すら今ググって知った超新参者」としつつ、「でもあの! コミケに! 参加できることにワクワクしてます 先人の皆さま、いろいろ教えてください」と呼びかけていた。
大使館観光部によるコミケへの参加をめぐっては、「オーストリア大使館観光部の中の人がコミケ参戦...?!」「観光公式がサークル側!?」など、驚きつつ盛り上がる声が相次いだ。
「これってコミケルール的にOKなんだったっけ?」
ポジティブな反応が寄せられた一方で、「企業ブースではなくサークルに委託配布...?これってコミケルール的にOKなんだったっけ?」「企業ブースじゃなくてサークルスペースとはびっくりだな 法人参加は駄目だが国組織はその指定に無いと言う裏技みたい」などとする声も上がった。
コミックマーケットのルールでは、「法人、営利目的などの団体」によるサークル参加は認められていない。漫画家などプロ作家なども参加はできるが、あくまでも「個人サークル」での申し込みとなる。
サークル参加とは別に企業ブースが用意されているため、法人、営利目的にあたる団体については、企業ブースへの申し込みが必要だ。
今回の件については、サークル主は個人である留守keyさんであり、オーストリア大使館観光部は「法人、営利目的などの団体」とは異なる。しかし、ルール上グレーゾーンに当たるものではないかとの声が上がった。
「コミックマーケットの理念を毀損しかねなかったことをお詫び」
大使館観光部は23日、「先日のコミケ参加の告知につき、多くのご指摘をいただきました。内部で再度見直した結果、参加を取りやめることにいたしました」として、声明を公開した。
参加表明に至った経緯を「今回は作曲家漫画創作の留守key様の発案であり、当方が資料提供や原稿確認などでご協力した企画『オーストリア漫画プロジェクト』の成果物であるポストカードを、コミックマーケットの留守key様ブースにて無償配布するという意図でした」と説明。
「当日は職員が配布のお手伝いに来場しようと考えていましたが、再度検討した結果、これがコミックマーケットのルールに抵触する危険性があると判断し、職員、すなわちオーストリア大使館観光部としての参加は止めることといたしました」とした。
「このたびは当方の認識が甘く、コミックマーケットの理念を毀損しかねなかったことをお詫び申し上げます」と謝罪した。
ポストカードについては、予定通り配布が行われるという。
参加取りやめの報告には、「来年はぜひ、企業ブースへ! もしくは大使個人としては、創作か旅行のジャンルでオーストラリア紹介本で参加を!」「来年の企業ブース参加に期待! で......『大使が個人として』で参加して『大使のオシゴト本』とか『オーストリア料理本』を出すならワンチャン?」など、応援と期待の声が寄せられている。
先日のコミケ参加の告知につき、多くのご指摘をいただきました。内部で再度見直した結果、参加を取りやめることにいたしました。詳しくは添付のメッセージをお読みいただけますと幸いです。内部検討に時間を要し、このお知らせが遅くなってしまったことを重ねましてお詫び申し上げます。 https://t.co/g9dVW6uYgv pic.twitter.com/eTdFrbqffL
— オーストリア観光公式 (@ANTO_Tokyo) December 23, 2025