東京・お台場にある完全屋内型テーマパーク「イマーシブ・フォート東京」が2025年12月25日、来年2月末をもって「グランドフィナーレ」を迎えることを報告した。
25年3月1日に大幅リニューアルしたばかり
イマーシブ・フォート東京は、22年8月末に完全閉館した大規模複合集客施設内のショッピングモール「ヴィーナスフォート」の跡地を利用して24年3月に開業した没入型テーマパークだ。
「さぁ、感動の最前列へ」をキャッチコピーに、登場人物と会話をしたり、ともに行動したりすることで物語の一部として作品に参加する「没入体験」で人気を博した。
当初は入園料として1dayパスを購入し、体験したい演目に追加料金を払うシステムだったが、25年3月1日に行われた大幅なリニューアル後は、入園料を撤廃した上で各アトラクションに料金を払う方式に変更された。
12月25日現在は、シャーロック・ホームズの世界を自由に探索して事件を追う体験型演劇「ザ・シャーロック -ジェームズ・モリアーティーの逆襲-」、体験型エンターテイメントショー「フォルテヴィータの追憶」、ディナー付きの体験型演劇「真夜中の晩餐会」、劇場型謎解きゲーム「今際の国のアリス The Ultimate」、体験型演劇「江戸花魁奇譚」、体験型2.5次元演劇「東京リベンジャーズ イマーシブ・エスケープ」の6つの演目が上演されている。
「またいつか、復活を願って。。」「これだけしか反応がないのが...」
イマーシブ・フォート東京公式Xアカウントは25日、「この度、イマーシブ・フォート東京は、2026年2月28日(土)をもちまして、グランドフィナーレを迎えることになりました」と報告した。
「これまでの道のりを支え、作品に命を吹き込んでくれたのは、他でもないゲストの皆様です。作品に積極的に参加し、時に笑い、時に涙しながら、一期一会のエンターテイメントを共に創り上げてくださった皆様の存在は、我々キャスト・スタッフの揺るぎないエネルギーとなりました」と来場者への感謝をつづり、「皆さんと共に創りあげた『イマーシブ』という新しいエンターテイメントを次へと繋げ、新たな場でまた皆様にお会いできることを願っています」とした。
SNSでは、「難しい挑戦だったかと思いますが本当に素敵なチャレンジだったと思います またいつか、復活を願って。。」などと惜しむ声もある。
一方で、「テーマパーク型から誰も望まない劇場型へ切り替え、高級路線へ舵を切った判断は、イマーシブ・フォート東京を破壊する、トドメの一撃でした」「申し訳ないけど、このツイートにもこれだけしか反応がないのがもう全てだよなぁ...」など、冷ややかな反応も少なくない。
「施設規模が過大であると判断」「事業期間を繰り上げて終了する苦渋の決断」
テーマパークを運営する株式会社刀も同日、公式サイトで営業終了を報告した上で、その背景を説明した。
「当初の事業計画では大人数を対象に広い施設面積を要する『ライトな体験』が大半を占めると想定しておりましたが、実際は人数を限定した『ディープな体験』に需要が強く偏ることがわかり、開業2年目にディープ体験中心への業態変更を実施しました。それにより学び得た最適な事業モデルに照らし、本施設規模が過大であると判断し、営業を終了する決断に至りました」
同社CEOの森岡毅氏は、「このたび、本施設の営業を事業期間を繰り上げて終了する苦渋の決断をいたしました」と報告。
「未踏の領域に挑む中で、多くの熱狂的な体験を生み出し、貴重な知見を得られた一方で、財務面を含め当初計画との大きな乖離が生じた事実は、経営者として重く、真摯に受け止めております。御支援くださった方々に心よりお詫び申し上げます」としている。
親愛なるゲストの皆様へ
— イマーシブ・フォート東京 / IMMERSIVE FORT TOKYO (@Immersive_Fort) December 24, 2025
イマーシブ・フォート東京にご来場いただき、また作品を愛していただき誠にありがとうございます。…