高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 若者は9割が支持?なぜ高市内閣は高支持率が続くのか

   産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2025年12月20日と21日に行った世論調査によれば、高市内閣を支持すると答えた人の割合は75.9%。発足以来3回の調査であるが、いずれも75%以上と高い水準の支持率が続いている。高市内閣を支持すると答えた人に最も評価する理由を聞くと、「物価高対策など経済対策」が40.2%で最多となり、次に多かったのは「外交や安全保障」で22.9%だ。

  • 高支持率が続く高市早苗首相。笑顔を見せながら記者会見に臨んだ
    高支持率が続く高市早苗首相。笑顔を見せながら記者会見に臨んだ
  • 「高市カラー」に関する質問も出た
    「高市カラー」に関する質問も出た
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若い層ほど高支持率、「どんより雲・雨模様」から「晴れ」に

   高市内閣支持率を年代別にみると、18~29歳が92.4%、30代が83.1%、40代が77.8%、50代が78.0%で全体を上回り、60代も69.0%、70歳以上でも65.9%。若い層ほど支持率が高く、個別政策で見ても18~29歳で政府の総合経済対策に88.1%、年収の壁の引き上げに93.9%、原発再稼働に70.6%、定数削減法案に83.6%が賛意を示している。

   年代別政権支持率では、高齢者ほど高かった石破政権と好対照だ。例えば、2月22日と23日に行われた産経新聞社とFNNの世論調査によれば、石破内閣支持率は44.3%で、18~29歳が22.3%、30代が20.2%、40代が42.9%で全体を下回り、50代が47.5%、60代も46.7%、70歳以上でも63.6%。

   前の石破政権の時にはどんより雲もしくは雨模様だったが、高市政権になって景色が変わり晴れになったという人が多いが、若い人ほどそう感じているようだ。

   ガソリン税減税や年収の壁引き上げ(所得税減税)をスピーディーに行っているのに加え、高市首相が夜の会合なしで働いている姿に共感する人が若い人ほど多い。事実、高市首相は10月21日就任から12月初旬まで夜の会食(宴会)ゼロだった。首相動静をみても、官邸外での夜の会食を一切行わず、連日議員宿舎へ直帰して深夜まで政策の勉強や翌日の国会答弁の準備に充てる生活を続けている。

従来の「飲み食い政治」とも一線

   従来の「飲み食い政治」とは一線を画す姿勢、歴代首相が頻繁に会食を行っていたことと対照的で、与党内からは「情報交換ができない」「こもり癖」といった懸念の声もオールドメディアから上がっていた。

   12月6日に自民党幹部と初の外食を行ったが、これは例外中の例外。これは補正予算審議のためだ。会合には麻生太郎副総裁や鈴木俊一幹事長ら約20人が参加し、約1時間半で終わった。

   結果として、補正予算は、国民民主、公明両党が賛成したので上々の出来だ。高市首相が陣頭で国会対策するというより、政策の出来で各党の賛意を誘導して、自民党幹部が最終的な賛成を取り付けたのだろう。この方式は、これまでの自民党にないスタイルだ。まさに、女性初の首相で国会スタイルも大きく変貌した。これは今の若者スタイルにマッチしている。加えて、若者はオールドメディアを見ない、読まないのも高市推しの一因だ。


++高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはしよういち)元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。

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