歌手の郷ひろみさんが2025年12月29日、大みそか恒例のNHK紅白歌合戦出場を、今回を最後にすることを発表した。
「2025年、今年の紅白歌合戦をひと区切りつけたいと」
郷さんは38回目の出場となる第76回では、代表曲のひとつ「2億4千万の瞳-エキゾチック・ジャパン-」を歌唱する予定となっている。
29日、東京・渋谷のNHKホールで行われたリハーサルの終了後、報道陣の取材に応じ、紅白歌合戦からの勇退を報告した。
和やかなムードで写真撮影に応じた後、紅白出場に向けての意気込みを聞かれた郷さんは「その前に、皆さんにご報告をしなきゃならないことがあります」と切り出した。
「2025年、今年の紅白歌合戦でひと区切りつけたいという風に思っています。出演させていただく機会をいただいたNHKのみなさま、楽しみに応援してくれた皆様に心から感謝します」
勇退を決めた理由については、「紅白歌合戦っていうのは僕にとって特別なステージなんですよね。挑戦でもあり、機会をいただくことによって自分が成長できる場でもあったな、っていう風に思います」と振り返り、「僕自身がそう感じたように、これから若い方たちが同じような気持ちで挑戦し続けて欲しいな、いつも応援していきたいっていう風に思っています。それが僕にできることかなって」と語った。
「自分が70歳になってみて、そういう節目っていうのは今年かなって」
古希を迎えた影響について問われると、「何年か前から考えてはいたんですけども、本当に自分が70歳になってみて、そういう節目っていうのは今年かなっていう風に思って。突然ですけども」と明かした。今回の決定については、郷さん自身で考え、スタッフと話し合いを重ねた上で結論に至ったという。
区切りのステージについては「僕らしく、とにかく楽しいステージにしたいですね」。
「郷さん、会場内で走り回ってるイメージなんですけど...」と尋ねる記者に、「そのイメージありますよね。今年も走るんじゃないですか?」と笑い声を上げた。
ファンの「続けてほしい」という声については、「でもね、紅白歌合戦のステージは最後ですけれども、僕自身が終わるわけではなくて」と返答。
「紅白歌合戦というのは特別なステージなんですけれども、歌への情熱は決して褪せないんで。紅白が今年最後であっても、ひと区切りをつけても、僕の情熱は全く消えないんで。これからも、皆さんと同じ景色を眺めていきたいなっていうふうに思っています」
「今年はホップ、(来年が)ステップ、そして再来年が『ジャンプ』」
紅白での一番の思い出について問われた郷さんは、「今、パッと頭の中に浮かんだのは、23年にシゲキックスとブレイキンやったじゃないですか」とブレイクダンスダンサーの「シゲキックス」こと半井重幸さんとのステージを挙げた。「すごく練習したんですよね。『練習したなぁ』っていうことを覚えてますね」と振り返り、「それと土屋太鳳ちゃんとの『言えないよ』ですね。あれは衝撃的でしたね」と語った。
郷さんにとっての今年を漢字一文字で表現してほしいとの質問には、「僕は今年70歳っていう節目の年なんですよね。そして、来年がファンクラブができて、もう55年になるんですよ。そして再来年が、僕がデビューしてから55年だと。だから、自分の中では今年はホップ、(来年が)ステップ、そして再来年が『ジャンプ』っていう風に位置付けてるんですよね」と返答。
「そうだなぁ、漢字一文字......」と頭を悩ませつつ、「『動』っていうのはどうですか? 『まだまだ動く』っていうことも含めて、『原動力』だとか......『動!』と力強く宣言した。