「国産レアアース」は時間とカネがかかる
こうしたなか、海洋研究開発機構(JAMSTEC)は2026年1月から南鳥島沖でのレアアース試験採掘を進める方針を発表した。
日本の海底にはレアアースを含む資源が存在するとされ、特に放射性物質が少ないレアアース泥が注目されているという報道もある。
しかし、これは中長期の供給多角化策であり、短期的な供給不安を即座に解消するものではない。
採掘、精製、分離といったプロセスを構築するには、数年以上の時間と巨額の投資が必要とされるのだ。
同じように、G7各国が中国へのレアアース依存度低減を政策目標に掲げている取り組みも、短期的な問題解消にはつながらない。
日本は依然として国内総供給の大部分を中国に依存しており、仮に中国が供給を大幅に制限した場合、主要産業に深刻な影響が及ぶだろう。
現在の世界情勢は、極めて不安定な状況にある。
そんななかで、日本は再び供給網の見直しと、産業政策の再構築を迫られている。
特に半導体産業は、レアアースが直接の主要材料でなくとも、装置部品の供給停滞という「見えにくい部分」で影響を受ける可能性がある。
この構造的な課題にどう対応するかが、今後の日本産業の命運を左右するだろう。