駅到着の瞬間に起きた出来事
揉み合いは数十秒ほど続いた後、電車は駅に到着した。その瞬間、一人の拳が相手の顔面に入ったのだ。
「殴られた人が、そのままホームに倒れました」
開いたドアの外へ吹き飛ばされ、後頭部を強く打って動かなかった男性。ホームには血が流れ、駅員が慌ただしく駆け寄った。一方、殴った側の男性も、そのまま電車を降りたという。
「(殴った側の)男性はスマホを見ていましたが、手が震えていました。直前まで暴れていたのに、急に現実に戻ったように見えました」
幸い、倒れた男性はその後意識を取り戻したが、電車は説明もないまま発車した。そのため、何が原因だったのか、どのように処理されたのかを、佐藤さんが知ることなかった。
年末は、仕事や生活の区切りが重なる時期でもある。疲れや焦りが積み重なる状態では、感情の行き場を失ってしまうこともあるのかもしれない。
満員電車という逃げ場のない状況では、ちょっとしたきっかけが深刻な事態に発展することもある。周囲の状況にいつも以上に気を配る必要がありそうだ。