2026年2月5日の情報番組「あの本、読みました?」(BSテレ東)は累計210万部を超えた人気シリーズ「成瀬」シリーズを書いた作家の宮島未奈さんが登場、書店関係者らが成瀬の魅力に迫った。鈴木保奈美「成瀬は一億総地元の連れという感じかな」成瀬シリーズは滋賀県大津市に住む破天荒で猪突猛進の中学生、成瀬あかりの青春を描いた「成瀬は天下を取りにいく」(2023年、新潮社)が大ヒット、本屋大賞にも輝いた。その後、「成瀬は信じた道をいく」(2024年)、そして2025年12月に完結編「成瀬は都を駆け抜ける」が出版された。完結編では成瀬が京都大学に進学、恋愛やサークル活動などを通じて成瀬の成長が描かれている。この作品の魅力について、自身も成瀬ファンだという代官山蔦屋書店で文学コンシェルジェをしている間室道子さんは「店内でお客さんに『早く成瀬に会いたい』と声を掛けられる。本の世界で主人公に『会いたい』という言葉を使うというのはすごいこと」と話す。そして成瀬の存在について、有吉佐和子の「青い壺」に出てくる「壺」だと間室さんは指摘した。「通常は複数の短編を貫いてずっと読者をひっぱり続けてくれる存在を考えついたら、たとえばそれが呪いの壺だったり手にすると幸せになったりとか、作家はその象徴に何らか意味づけをしてみたくなるものなんだけど、青い壺に出てくる壺って何もせずただ置かれている」と話す。有吉作品を読んでいたMCの鈴木保奈美さんは「何もしな~い、そうなの!」と共感する。その壺にたとえて間室さんは「変わらないから会いたい人っているじゃないですか。そういう意味では成瀬は地元の連れなんですよ。成瀬は一億総地元の連れという感じかな」と表現した。宮島未奈さんは「書くのは楽しくないんですよ、ホント」「成瀬は天下を取りにいく」の出版の際に祝電をくれたという成瀬と同郷のミュージシャン、西川貴教さんがVTR出演した。「作品(細かい滋賀県の描写)は県民からするとすごくこそばゆい。気恥ずかしも嬉しくもある。次はまた宮島さんなりの角度で滋賀をいじってくれたらと、うっすら期待している」とスピンオフ作品に期待した。宮島さんは「成瀬書くのが楽しそうに思われがちなんだけど、楽しかったら4巻も5巻も書いている。楽しくないんですよ、ホント」と作品を生み出すつらさを告白する。間室さんは「デビュー作が大ベストセラーになり作家を目指す人の夢だとは思うけど、成瀬の道の先を塞ぐものではなく、(成瀬は)宮島さんそして読者と常に一緒に走っている存在。天下をとった宮島さんには信じた道をゆき、文学界を駆け抜けてほしい」と成瀬シリーズに引っかけてエールを送った。(ジャーナリスト佐藤太郎)
記事に戻る