「外国人のレンタルや着付けはどうして無料なんですか?レンタルだけで何十万もするんです。日本人差別止めてください」
こんな文章に小池百合子都知事の写真を付けた投稿がネットに出ている。
日本人の車いすの新成人への支援も同時に行われている
Xには「成人式の振袖、外国人は無料レンタル出来ることが判明・・・こっちの事実をもっと拡散してくれ」など、成人式の着物をめぐる投稿が広がり、抗議先の電話番号、メールアドレスを書き込んだものもある。東京都豊島区や新宿区には、「抗議」の電話やメールが来ているというが、「事実」はそうではない。写真を使われた小池都知事もびっくりだろう。
「外国人への着物無料レンタル」と言われている事業は何を指すのか。豊島区、新宿区のホームページに詳しく広報されている。
事業が始まった2020年の産経新聞の記事(1月14日)には、「区は『日本の文化に興味を持ってもらえれば』と新成人の外国人留学生を対象として無料の和服着付けサービスを区民センターで初実施。15人の留学生たちが華やかな着物を身にまとった」とあり、ロシア出身女性の感想を書いている。
豊島区、新宿区は成人年代の外国人比率が高く、40%を超す。豊島区の場合は、ボランティア団体が実施する企画に、区が場所を提供するなどの支援をしたという。区の担当者の話では、26年1月の成人式では、外国人の支援対象者は12人だった。日本人の車いすの新成人への支援も同時に行われている。
目的の一つは、区内の染色事業者の着物を宣伝したい
新宿区の場合は、区内で盛んな染色事業支援の目的がある。区内の事業者が作った晴れ着を提供しようという企画で、対象は若干名である。
どちらも、「外国人に高価な着物を提供する」というものではない。
この事業に対しても、ネット上では外国人を特別扱いにしているとの趣旨の投稿が広がっていた。
「成人式のニュースを見て泣いた。外国人は着物無料、日本人で金銭的に余裕のない方は着られない 泣いた クソが 着物着て笑顔の外国人にこんなに苛つくとは」
「着物の冒涜だ・・・しかも外国人には着付け着物無料貸し出し」
「外国人ファーストかよ!新宿区と豊島区は日本人を除く外国人の方々に着物無料。この金はどこから?悲しいかな、日本人の娘に知らんふり」
多くの投稿がこの調子だが、中には、「トンチンカンなコメント多いな。生活困窮者にも無料だし外国人も留学生が対象」という指摘コメントもある。
豊島区によると、25年には10万以上の閲覧記録がある動画もあったという。先に紹介した小池都知事の写真を付けた投稿には1万以上の「いいね」が付いている。
豊島、新宿両区には電話とメールで「抗議」が来ているという。説明して納得する人もいるが、文句を言い続ける人もいるという。
(リサーチ班)