「消費減税実施は予定通りには行かない、財政に詳しい人はそう思っている」一線政治記者が一致する高市減税の無理

   総選挙ではほぼすべての政党が公約に掲げ、高市首相も「2026年度内を目指したい」と言明した消費税減税だが、選挙が終わって、さてどう進めるかを冷静に検討してみると、2027年春の実施はかなり難しいことが明らかになっているという。2026年2月15日放送の「日曜スクープ」(BS朝日)で、一線記者たちが解説した。

  • 消費税減税は2月18日に召集される特別国会の焦点だ(画像はイメージ)
    消費税減税は2月18日に召集される特別国会の焦点だ(画像はイメージ)
  • 高市早苗首相(2025年10月撮影)
    高市早苗首相(2025年10月撮影)
  • 消費税減税は2月18日に召集される特別国会の焦点だ(画像はイメージ)
  • 高市早苗首相(2025年10月撮影)

秋の臨時国会で税制改正案を成立させても

   想定されているスケジュールは、6月に与野党の国会議員や有識者で構成する国民会議で減税案の中間とりまとめを行い、秋の臨時国会で税制改正案を成立させ、2027年3月に実施というものだ。

   朝日新聞元記者で政治ジャーナリストの今野忍氏は、「これ、率直に言って間に合わないですね。これでできるっていう人は、財政に詳しい人にはいないですよ」と言い切った。

「高市総理ご自身が総裁選の時に、レジスターの改修とか、民間の準備が1年ぐらいかかり、即効性がないというロジックで、消費税減税をいったん引っ込めた経緯があります。最近、ちょっと言い方を変えて、半年ぐらいでできるって言っていますが、それでも(2026年度中には)間に合わないですよ、逆算したら」

高市案が、物価を下げるのかという根本的な疑問

   共同通信編集委員兼論説委員の久江雅彦氏は、「私の取材では、『もう高市さんが言ったから、やらなかったらまずい。支持率も下がっちゃうから』という精神論のように言う人と、『とてもじゃないけれど、租税特別措置、あるいは補助金などで5兆円の財源を作っていくのは非常にむずかしいんだ』という人に分かれます」と報告した。そして全員が、一旦ゼロにしたら「もう戻せなくなる」ことを恐れているという。

   共同通信元論説委員の杉田弘毅氏は、「高市さんの案が、つまり自民党の案がはたして物価を下げるのかという根本的な疑問がありますから、スケジュール通りというのはなかなか難しいということだけははっきりしています」と見る。

   「自民党の中でも、2割くらいは減税することに反対の方もいらっしゃる。それも総理経験者の重鎮クラスの人に慎重な人が多いというのが現実ですから」と、今野氏は、高市首相は減税実施で自民党内をまとめられるのか疑問を持つ。

   消費税減税が難しいことは、実は高市首相が一番わかっていて、だから選挙中も演説でほとんど触れなかったという見方もある。

(シニアエディター 関口一喜)

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