旧暦の大晦日にあたる2026年2月16日夜、高市早苗首相が「新しい年は世界に平和がもたらされ、一人でも多くの方が平穏な生活を取り戻せる年となることを切に願います」などとするメッセージを出した。日中関係が冷え込む中でも祝辞は継続された形だが、恒例の東京タワーを赤色に染めるライトアップは行われなかった。日中関係が比較的良好だった19年に始まった取り組みで、コロナ禍期間含めて毎年続いたが、8年目で途切れた。文字数3割減、「華僑・華人の皆様」「法の支配に基づく国際秩序」姿消す祝辞のあり方も日中関係を踏まえて変化した可能性がある。日本語ベースで本文が388文字あった25年の石破茂首相(当時)に比べて、高市氏は270文字と3割ほど少なくなった。具体的には、能登半島地震に世界各地から支援が寄せられたことへの言及がなくなった。それ以外の変化が、祝辞の宛先だ。石破氏は「春節を祝う全ての皆様、日本で活躍されている華僑・華人の皆様」だったのに対して、高市氏は「春節を祝う全ての皆様に」。「華僑・華人」がなくなった。さらに、国際関係に言及した部分は、石破氏が「国際情勢はますます厳しさと複雑さを増していますが、分断と対立を乗り越えるべく、日本は各国との対話や協力を重ね、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化を推進してまいります」としていたのに対して、高市氏は「現在の国際情勢の下、国際社会の平和と繁栄に、日本としてより大きな役割を果たしていく考えです。その中で、新しい年は世界に平和がもたらされ、一人でも多くの方が平穏な生活を取り戻せる年となることを切に願います」と表現。「分断と対立を乗り越える」「法の支配に基づく国際秩序」といったキーワードが姿を消した。初回は安倍晋三首相が中国語交えてビデオメッセージ春節で東京タワーが赤色にライトアップされてきたのは、赤色は中華圏で縁起が良いと考えられているからだ。初回の19年の点灯式には安倍晋三首相(当時)もビデオメッセージを寄せ、「大家、過年好!(みなさん、明けましておめでとうございます)」などと中国語を交えながらあいさつ。その後の点灯式でも、駐日中国大使が出席する中で歴代首相の祝辞が読み上げられることが多かった。(J-CASTニュース編集委員兼副編集長工藤博司)