ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート・男子シングルに出場したアメリカ代表のイリア・マリニン選手が、ショートプログラム(SP)は首位だった一方、フリーのミスが響いて総合8位となった。
結果を受けて、18年平昌五輪のフィギュアスケート団体戦で銅メダル、22年北京五輪では団体戦と男子シングルで金メダルを獲得した米国のネイサン・チェン選手が失速の理由を分析している。
「満員の観客の前で演技する最もつらい部分の1つは...」
マリニン選手はフィギュアスケート団体戦で金メダルに貢献していた。フリーは日本時間2026年2月14日に行われ、序盤に披露するはずの4回転アクセルがシングルに変わったことをはじめ、2度の転倒といったミスが目立ち、156.33点で15位と惨敗を喫した。
同日に米メディア「Yahoo!Sports」の公式インスタグラムが、五輪の特派員に起用したチェン選手との連名投稿で動画を公開。その中でチェン選手は「今夜何かが起こった、正直に言ってそれが何なのかさえ言葉にできない」とし、自身が失点を重ねた18年のSPを「あの時、頭には大きなプレッシャー、不安、疑念が渦巻いていた」と振り返った。
今回のマリニン選手については「4回転アクセルに挑戦したがシングルに終わり、その後すべての要素で少しずつ、少しずつ、少しずつ力を抑え始めたのが見て取れた」とみて、下記のように所感を述べた。
「満員の観客の前で演技する最もつらい部分の1つは、観客の反応を本当に腹の底から感じ取れることだ」
「非常に大きな可能性を秘めている」と期待も
チェン選手自身、観客のうめき声があがった瞬間を覚えているという。「それは胃の底まで響く痛みで、立ち上がって精神をリセットしなければならない。何が悪かったのか、次の要素に向けてどう立て直すかを考えねばならない」といい、
「しかし同時に、会場全体のエネルギーが変わり、今や緊張感が漂い、観客が身を乗り出しているのが感じられる。スケーターとしてそれを感じ、自らを落ち着かせ、再び集中しようとする。だがあらゆるミスが積み重なっていく......あの状況の厳しさは言葉にできない」
と切実な思いを訴えた。一方で、
「イリアは絶対的に、若く、まだ野心に満ち、非常に大きな可能性を秘めている。間違いなく、今後数回のオリンピック周期で話題に上り続ける選手だ」
と期待を寄せ、「しかし今夜は自分の精神面と身体面を振り返り、再評価し、次のオリンピックにどう臨み、違った結果を出せるかを見極める夜となるだろう」とも伝えている。