2026年2月1日に閉館した出雲崎レトロミュージアム(新潟県出雲崎町)の公式Xが22日、業者による展示品の買い取りを断っていたにもかかわらず、個人向けの展示品即売会に業者が個人を装って現れ、貴重な展示品を購入していってしまったとし、怒りをあらわにした。同ミュージアムの代表は取材に、「昭和レトロを愛するのであれば返してください」と訴える。このまま返却がなければ、この業者に対し今後の対応を検討することになると明かした。昭和レトロ品を「新潟県内に残したい」...業者への販売断る出雲崎レトロミュージアムは、昭和の貴重なおもちゃなどを中心に展示していた博物館だ。代表が患っていた国指定難病が悪化したことにより、2月1日に閉館。閉館後は、土・日・祝日に展示品即売会を行っている。同ミュージアムはXで、今回の出来事の経緯を長文で説明。「あまりにも貴重な物だけが新潟県外へ出て行ってしまったので正直怒りしかありません」「嘘つき企業は信用できません。あの会社は絶対にゆるせないです」と怒りをにじませた。出雲崎レトロミュージアムの代表は25日、J-CASTニュースの取材に応じ、詳細を明かした。代表によると、25年11月に閉館することを発表して以降、さまざまな業者から展示品を「買取りします」「無償で譲ってほしい」といった連絡が毎日のように来るようになった。中でも県外のある業者は、12月から1月まで毎週のように来館し、展示品をチェックしていたという。代表は、ミュージアムの事業継承の話を進めていること、展示品を「新潟県内に残したい」との思いもあることから、全ての業者に対し展示品の販売を断ってきたと説明した。一方、展示品が倉庫にも大量にあることから、「本当に欲しいコレクターの個人様向け」として、即売会を開催することにした。告知には「業者への販売はお断り」する旨を記載していたという。即売会では見覚えのない2人組が、ホンダ「モンキー」を仮面ライダーに登場する「サイクロン号」仕様にしたオリジナルのバイクを購入したいと伝えてきた。「バイク好きで自分のバイクの隣に置いて飾りたい」と話したという。このバイクは福島県の「NPO法人おもちゃ保存協会」の理事長から譲り受けた、思い入れのあるものだったが、代表は「コレクションされる方なんだな」と思い、2人組に譲る決意をしたという。県民にとって愛着ある鉄腕アトムも県外業者へさらにこの2人組は、ミュージアム入り口にあった等身大の鉄腕アトムのフィギュアを「どうしても譲ってほしい」と訴えてきたという。鉄腕アトムのフィギュアについては、県内のコレクターからも連絡を受けていたため、一度は断った。しかし、代表がコレクターに確認したところ引取りは未定とのことだったので、「2人組の方に説明してお譲りしました」と明かした。代表によると、この鉄腕アトムのフィギュアは、かつて柏崎市にあった「怪物ランド こどもの時代館」という施設の入口にあったものだという。「新潟県民にとっては愛着があり、良く知ったアトムでした」と振り返り、「それが県外に出てしまったと言うことに怒りしかなく思っています」と心境を明かした。2人組は、そのほかホーロー看板やフィギュアなど、約20点、50万円以上を購入。代表は、「どれも貴重な物ばかりを朝一番から根こそぎ持って行かれてしまいました」と嘆いた。代表は、2人組が購入したものを積み込み、駐車場から出て行ったときの車のナンバーが県外かつレンタカーのものだったことで、違和感を覚えたという。「おかしいと思いつつも、2人のうち1人の若い男性は見た覚えがあり、もしやと思い当館の監視カメラの記録を調べたところ、当館に出入りしていた男性と今回の若い男性が歩いているのが残っておりこの業者だったのか!と言うのが発覚しました」業者から謝罪あるも「返却する意思は全くない」代表によるとこの業者からは後日、インスタグラムのDM(ダイレクトメッセージ)に身元を明かさずに大量買いしたことを謝罪する文章が届いた。しかし、購入した商品については「返却する意思は全くないので、当店で利用させて頂きます」と伝えられたという。代表はこの返答に、「昭和を愛する、昭和の施設をやっているなら、如何にアトムが大事かわかるはずです。しかし個人を装って貴重な物を県外へ持ち出し、自分の施設が良ければお宅の施設がどうだろうと知ったことではないような返答に怒り心頭です」と、怒りをあらわにした。今後の対応について代表は、ミュージアムの事業継承の話を進めているのは弁護士だとし、その弁護士とともに「(業者から購入品の)返却が無いのであれば、どのような対応を取るかを検討していくことにはなると思います」とした。代表はこの業者に、「昭和レトロを愛するのであれば返してください。返す意思がなければ、昭和レトロをビジネスとしてやってるだけで昭和愛も何もないただの卑劣な施設だと思います」と、訴える。この業者の行動は今回だけではないようで、代表には複数の昭和レトロ仲間から連絡があったという。代表は昭和レトロに関する施設について、「お客様とのコミュニケーションで、『どのような感じで手に入れたのか?』などをお話しして、お客様を楽しませることが出来ると思っています」と述べる。今回の業者は「今回の展示品をお客様にどうやって入手したんですか?」と客から聞かれた際に、「嘘をつくわけでしょうから、そんな施設はいずれお客様が離れていくと思います」とする。続けて代表は、「今後は他のレトロ施設の思いやレトロ愛をもう少し考えて頂いて行動して頂きたいと思います」と訴えた。
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