若槻千夏、上谷沙弥、野呂佳代、弓木奈於...女性タレントの生存戦略が変わる テンプレートの超越が生む「共感」

「弓木ワールド」独特の世界観で人気の弓木奈於

   あるいは、弓木奈於さんは、乃木坂46という「可愛さを求められるアイドル」という文脈に身を置きながら、バラエティでも異彩を放つ存在だ。「弓木ワールド」と称される独特の世界観をアルコ&ピースに見出されて以降、バナナマンやシソンヌ・長谷川忍さん、ジャングルポケット・太田博久さんらと堂々と渡り合い、芸人顔負けのトークスキルや鋭いツッコミ、尽きないエピソードで強い存在感を示してきた。それでいて彼女は、あくまで王道アイドルになることも望んでいるという。この「独特の世界観なのに、王道を目指す」という二面性が、弓木さんの個性をより際立たせている。

   このように、興味深いのは、既存カテゴリーや「既成のテンプレート」から外れることを恐れず、むしろそこに価値を見出し、自分にしか表現できない「素の自分」を、徹底的に活かすことが実は、令和のテレビ業界における最後のブルーオーシャンなのだ。視聴者たちもまた、完璧さを演じる人間より、ありのままの自分を見せる人間に惹かれている。時代は確実に変わっている。

(川瀬孝雄)

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