日本航空(JAL)が2026年3月2日に開いた記者会見で、鳥取三津子社長が社長に就任してからの自己採点を求められ、「30点くらいじゃないでしょうか......」と応じる場面があった。理由は「安全問題」。JALでは24年から25年にかけてパイロットが飲酒問題を起こし、国土交通省から行政指導にあたる厳重注意を受けたことを指しているとみられる。現時点では3月7日羽田発、折り返しの3月8日ドーハ発まで運休この日の会見では、35年度までの中期経営計画「JALグループ経営ビジョン2035」を発表。マイルや金融などの「非航空分野」を伸ばして「環境変化に強いポートフォリオ」を構築し、30年度にはEBIT(利払い・税引き前損益)3000億円、35年度には3500億円以上を目指すとしている。国内線では、事業構造改革の一環として、すでに国際線で導入されている燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)を27年4月から新たに導入することも掲げている。緊迫するイラン情勢に関する質問も出た。JALは中東地域では羽田とカタールのドーハを結ぶ路線を運航しており、3月7日羽田発、折り返しの3月8日ドーハ発の便まで運休を決めている。鳥取氏は「安全が確認されてからの動きとなると思うが、即座に運航が開始できるように、情報収集と、シミュレーションをしっかり実施しているところだ」などと説明する一方で、斎藤祐二副社長は原油価格の高騰にも言及。高騰が継続すると影響があるとした上で、「過去の有事の際、1年以上この状況が続くことは、今まであまりなかったと思うので、なるべく早期に解消することを望んでいる」とした。具体的な対応方針としては、国際線では、高騰部分をすでにある燃油サーチャージに転嫁する。国内線では、燃油サーチャージ導入を予定する27年4月から前倒すことは難しいとして、「サーチャージがない分、高騰の部分を、ヘッジ部分で一定程度カバーしているが、影響を受けるのかな、というところだ」として、運賃に反映されるとの見方を示した。「まず安全ができて、当然できているものだとすれば...」この日の記者会見では、鳥取氏が記者の質問を聞き取れない場面が何回かあり、特に最後の質問では、鳥取氏が隣の斎藤氏から内容を改めて聞いて「今聞いた中身が周りにもすごくて、ちょっとびっくりした」と応じた。鳥取氏は24年4月に社長就任。質問は、就任から約2年がたとうとする段階で新たな中期経営計画が発表されたのを機に、「これまでの自身の経営を振り返って、100点満点で点数をつけるとしたら」という内容だった。鳥取氏は、2年を振り返って「やはり2年間通して、まず安全問題が非常に多かった。これは私の中で反省すべき点といいますか、大きかったし、かなりここに時間を費やしてしまったところがある。まずはここに尽きると思うので、次年度はこういったことがないように、しっかりやっていきたい」点数を言う際には、「結果......これが(報道に)出るんでしょうね?きっと......」と迷った様子で、「まず安全ができて、当然できているものだとすれば、30点くらいじゃないでしょうか......?」と明かした。5秒ほどの沈黙の後に、司会の沼畑康夫広報部長が「あの、次回は100点と言っていただけるような会見にしたいと思いますので......」と引き取り、記者会見は終了した。JALでは24年4月に米国、同12月には豪州で、機長が飲酒をめぐるトラブルを起こしている。さらに25年8月に、機長=懲戒解雇=が滞在先のハワイ・ホノルルで飲酒したことが原因で乗務ができなくなり、計3便で最大18時間遅れている。これを受けて国交省は9月10日、JALに対して厳重注意を行っている。(J-CASTニュース編集委員兼副編集長工藤博司)
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