2025年5月、風営法の改正が施行されてもなお、悪質ホストの逮捕が続く歌舞伎町。新ルール導入後も根本解決が難しく、過剰な営業で客と揉めるトラブルが絶えない。女性側が違法行為を通報→逮捕へ至る流れが以前よりかは増えているものの、よくよく考えるとこれは当たり前だろう。今までクロい問題が明るみにならなかったぶん客側が黙り込み、悪質ホストはずいぶんと野放しにされていた。ニュースになるのは氷山の一角に過ぎず、DVから結婚詐欺、売春斡旋など「どう考えてもアウト」な行為に走るホストは、一部でまだ存在し続ける。なぜ悪質行為を許してしまうのか大前提として悪質ホストが最もいけないのだが、担当(指名ホストのこと)に入れ込み、悪質行為を「許して」しまうことが、彼らがのさばる部分は否めない。世の中からすると「なぜ、そんな男に?」と疑問に思うものの、ワルい男にはそれなりの魅力があるらしい。顔が良い、駆け引きがうまいなど女性のハートを掴む術に長けていれば、自ずと客はつく。特に、心の隙間が広い人間ほどアメと鞭を使い分ける異性に恋焦がれがちな傾向が強く、DVや結婚営業をかけられると見事になびきやすい。ダメと頭ではわかっていながらもアメの甘さが忘れられないのだ。悪質ホストにもさまざまなタイプが存在し、客の入れ替わりが激しい賛否両論タイプ、表と裏の顔が180度違うタイプなど多岐にわたる。前者は「支えてあげたい」という不思議な使命感を覚えた客がつき、後者は深く付き合わねば真の顔が見えないせいで客がハマった頃には手遅れになるパターンを招きやすい。ハマる心理や理由などを挙げ始めたら、おそらくキリがないだろう。好きが憎しみに変われば店に通うのを中断したり、極論、警察に通報するまでに至るが、だいたいは情が湧いて目をつぶってしまう。今も好意と我慢を引き換えに夜遊びを続ける人が絶えないせいで、後になってからボロが出た結果、逮捕者の続出へとつながっているのだ。悪質ホストの実態はキャストは客の未来など明確に考えられないようなところがある。というか、そこまで請け負ってはいけない。もともと業務内容に入っておらず、相手の懐事情を考える必要はあっても自分の数字を追いかけることが最重要なので、深追いすればドツボにハマる。よって、無理をさせず、かと言って遠慮もしすぎない絶妙なバランスが求められるものの、悪質ホストは自分の利益以外を度外視してしまう。DVや結婚詐欺をしてまで客を限界まで働かせ、売春斡旋で仕事を紹介した手数料で金を得る。そうなるともはや、どこまでいっても人の心がない。相手に100%感情移入するのは業務上危険だが、超えてはいけないラインというものがある。水商売は悪質行為でさえ営業の一環として片付けることができてしまい、「そういうやり方だから」でまかり通る自由さが、問題を繰り返す原因となっている。歓楽街に近寄らないべきなのか?となると、非常に当たり前の話だが、悪質ホストの被害に遭わないためにはそもそも「歓楽街へ行かない」ことが最大の防御策である。SNSで知り合った相手がたまたまホストで、あれよあれよという間に街へ足を踏み入れるケースも今は少なくはない。実際にマッチングアプリで出会った男性がホストで、気づいたら店に勧誘されていた例も多いのだ。似たような事例で逮捕者も出ている。自分自身でも何かしらの違和感を覚えたらまず近寄らないことで、「自分はハマるタイプかもしれない」と自覚を持つ場合も同様だ。1回でも行ってしまうと悪い意味でタガが外れるため、敢えて壁を乗り越えない自制心も大切である。ただ、ここ数年は各SNSを見て興味を持ち、来店を検討する人も少なくはない。私はお店そのものを悪だととらえておらず、「どうしても行きたいなら節度を持てば良い」と考えるため、「遊びに行くのなら身を滅ぼすほどハマらないのが鉄則」というのは声を大にして主張したい。盲目的になると悪質ホストに引っかかりやすく、担当が悪どい行動を繰り返していても気づかないか、わざと見逃して街の浄化活動の停滞を助長してしまう。好意が芽生えるほど頭を冷やすのが難しくなるからこそ、常に一歩引いた姿勢で物事を見るくらいの余裕はほしいところだ。文字に起こすと遊びのハードルが高く思えるが、本来飲み屋とは「そういうもの」。「歓楽街は選ばれし者だけが足を踏み入れる世界」という現実を頭に叩き込み、決して無理をしてまで通わないことが大切である。王子様のような男性が目の前に現れて、ロマンティックな夢を見たら正常な判断がつかないのも無理はない。しかし、犯罪スレスレの営業に引っかかり全てを許容するのは違う。悪質ホストを野放しにしないためにも誰かがNOを突きつけ、客側のモラルを同時に高めることが今後の歓楽街には求められていくだろう。規制ばかり強めてもそれぞれのマインドが変わらねば、現状はひっくり返らないと筆者は考えているのだ。【プロフィール】たかなし亜妖/2016年にセクシー女優デビュー、2018年半ばに引退しゲーム会社に転職。シナリオライターとして文章のイロハを学び、のちにフリーライターとして独立する。現在は業界の裏側や夜職の実態、漫画レビューなど幅広いジャンルのコラムを執筆中。
記事に戻る