立憲民主党の石垣のりこ参院議員が2026年3月26日に行われた参院農林水産委員会で、日本中央競馬会(JRA)のCMをめぐり「射幸心をあおっているのではないか」と質問した。SNSでは、鈴木憲和農林水産相の答弁に注目が集まっている。
「的中した時の喜びを全身全霊で表現しているものに該当しないでしょうか?」
石垣氏は長澤まさみさんと見上愛さん、佐々木蔵之介さん、竹内涼真さんらが出演するプロモーション動画をめぐり、JRAが定めた広告をめぐる指針に言及。「射幸心をあおる内容となるため、使用しない表現」として「勝ち馬投票券の的中または不的中を過度に強調する表現」を挙げているとした上で、CMでの表現に疑問を呈した。
「(出演者らが)ガッツポーズをしていたり、抱き合ったりしている姿は、的中した時の喜びを全身全霊で表現しているものに該当しないでしょうか?」
「ゴールシーンよりも感情を揺さぶられるのではないかと考えるんですね」とし、「皆さんもよくご存じの有名な俳優さんを使って、この見事な表情を捉えているということで、ご覧いただいて」と熱弁。
「『競馬って、アガる!』って書いてありますが、なんかアガる感じがするかどうか......個人の感じ方も大きく左右されるかもしれませんけれども、こうした表情をアップで捉えて強調しているというのは、これはあおっていると受け取らざるを得ないと思います」とした。
「競馬を愛する皆さんの気持ち、ご理解をいただけると」
キャッチコピーをめぐっても、「しかもキャッチフレーズが『競馬って、アガる!』。片仮名の『アガ』を使って、『る』はひら仮名。これ、Z世代の間で喜びとか楽しみといった、高揚した気持ちを手軽に表現できる言葉として、よく用いられている単語でありますけれども」と指摘。
「『テンションが上がるよね』とか『モチベーションが上がる』というように使われておりますが、大臣、これはあおっていますよね。どうお考えになりますか」問いかけた。
鈴木氏は「私もこの動画ですね、拝見をいたしました」とした上で、「石垣先生には、競馬を愛する皆さんの気持ちというのを、ご理解をいただけると大変ありがたいと思います」とし、詳細を説明した。
「皆さん馬券を購入していたとしてですね、ほとんどの方が外れてるんですね」
「『サラブレッドが走り、競う その姿を見るだけで 人はなぜ、これほどまで 心震えるのだろうか』。この、みんなで喜び合ってるシーンとか、抱き合ってるシーンもあるわけですけども。よく考えていただくとわかるんですけど......まず、この、ここにいる人が、皆さん馬券を購入していたとしてですね、ほとんどの方が外れてるんですね。大体。当たる人の方が少ないわけです」
率直なコメントに、議場からはどよめきと笑いが漏れた。
鈴木氏は「そういう中で何を伝えたいかっていうと......自分が応援していた馬とか、今までけがを乗り越えてきてレースに復帰をした馬とか、もしくはずっと不調でなかなか活躍ができなかったジョッキーが久しぶりにG1勝ったとか。そういうことに対して、競馬ファンとして感動しているっていうことを伝えたい(という意図)。私は素晴らしい広告動画だという風に認識をしております」とした。
「私も前に大分負けまして涙を流したんですが......」
競馬好きとして知られる鈴木氏は、過去の衆院農林水産委員会でも競馬をめぐる思いを語っている。
25年12月18日には、れいわ新選組の八幡愛氏からの「競馬業界の売り上げは誰かの負けた涙なんです」との訴えに対し、「競馬に負けた方の涙の話がありましたけれども、私も前に大分負けまして涙を流したんですが、その涙も畜産の振興に使われているかと思うと、しようがない涙かと割り切ることもできたので、その辺も御理解をいただければと思います」とした。
26年3月12日には、ギャンブル依存症対策をめぐり日本維新の会の柏倉祐司氏が「鈴木大臣もネットで購入されたんですかね」と質問。
鈴木氏は苦笑しつつ、「大臣は馬券は買えないという法律になっておりますので、今は買えないんですけれども。買える時はネットでも買いますし、競馬場にもお邪魔させていただいております」としていた。