大手書店の有隣堂(本社・横浜市)が紙製ブックカバー「文庫カラーカバー」(全10色)について在庫限りで提供・販売を順次終了する、と発表していたことがXで驚かれている。使用している紙の生産中止に伴い、同カバーの製造を終えたとしている。
青と緑の四角形が描かれた「クラフト紙のブックカバー」は今後も継続する。
1977年10月から使用、導入背景に「活字離れ」
文庫カラーカバーは、文庫本の購入時に希望すれば無料でかけられるほか、10枚1組(税込165円)で販売もされてきた。色はダークブルー、ライトブルー、グリーン、イエロー、オレンジ、ピンク、ワインレッド、アイボリー、グレー、ブラックと豊富な品ぞろえで、店の名前と「かたつむり」のマークが印刷されたデザインも特徴的だ。
実は公式サイトで2025年11月25日、サービス紹介ページに追記する形で、下記のように「サービス順次終了のお知らせ」が発表されていた。
「原紙の『OKゴールデンリバー』生産中止に伴い、有隣堂の文庫カラーカバーも製造を終了いたしました。各色とも在庫がなくなり次第、ご提供と販売を終了させていただきます。長らくご愛用いただきありがとうございました」
店舗によって終了する色や時期は異なるといい、最新情報はレジカウンターで確かめるよう案内した。なお、使用している紙の種類に関しては「紙面に広がる広大な黄河の流れをイメージして作られた」との説明も。
公式サイトによると、文庫カラーカバーは元々、1977年10月の「読書週間」から使用を始めた。導入の背景は「当時、文庫の売上比は書籍全体の中でもそれほど高いものではありませんでした」としたうえ、下記のように説明している。
「時代的にも活字離れが叫ばれる中、私たちは文庫の"ポータブルで楽しく読める"特色に注目、ライフスタイルに合わせて気軽に文庫本を楽しんでいただくには......と考えたのが『文庫カラーカバー』です」
色展開には「何とかお客さまとの会話を」の思いも
制作にあたっては「素材の選定から色落ちの実験などさまざまな試行錯誤を重ねた」といい、当初は7色(レインボーカラー)を展開。カラーコーディネートの楽しみだけではなく、下記のような狙いもあったという。
「書店のレジは、お買い上げの本を受け取り、お会計を済ませ、包装した本をお渡しする、ただそれだけの対応しかありません。何とかお客さまとの会話をもちたい。お客さまのご要望をもっと知りたい。そのために始めた『なに色のカバーになさいますか?』のお声かけでした」
その後、客の熱心なリクエストによって、1986年からモノトーン3色が加わったという。「以来、ジャンルで色分けしたり、季節で色を選んだりと、お客さま自身でカラーカバーをお楽しみいただいております。みなさまの永年のご愛用に、心より御礼申し上げます」とも伝えている。
Xでは、26年3月下旬に情報が広く拡散し、「なんだって、、?!」「えっ、あれなくなっちゃうの...」「終わっちゃうのすごく悲しい」「色選べるの地味に好きだった」「結構ショック」などと驚きや惜しむ声が相次いでいる。
詳しい背景や紙の種類を変えて継続することは検討しなかったのかなど、J-CASTニュースは有隣堂に取材を申し込んだが、回答は「辞退」すると返答があった。
今日は #いい推しの日 ✨
— 有隣堂【公式】 (@Yurindo_store) November 4, 2025
有隣堂の 文庫カラーカバー は全10色????
推し色で、本を着せ替えてみませんか?????
読書でも推し活しましょう♫#文庫カラーカバー #本は心の旅路 pic.twitter.com/ijrBiEykiG