国民民主党の玉木雄一郎代表が2026年3月31日、Xで「国旗損壊罪について皆さんの意見を聞かせてください」と呼びかけた。
岩屋氏は「こういう法律を作ることには消極的」
玉木氏は「国旗損壊罪については、いくつもの興味深い法的論点を含んでいるので、ぜひ皆さんと一緒に考えていきたいと思います」とし、意見を募った。
国旗損壊罪をめぐっては、現行法では外国の国旗を侮辱目的で損壊した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金に処すると規定している「外国国章損壊罪」が制定されている。一方、日本の国旗に関する同様の規定はない。
日本維新の会は自民党との連立合意に際し、本法案をめぐる矛盾の是正を求めていた。31日には、自民党がプロジェクトチームの立ち上げに向け議論を始めた。
過去にも同法案の成立に反対していた岩屋毅前外相は、会合後に記者らに向け「国旗を尊重すべきことは当然だとしても、こういう法律を作ることには消極的です」と主張。外国との外交関係を守るための外国国旗損壊罪と比べ「同列に扱うのはおかしいと思う」などとしていた。
「『表現の自由(憲法21条)』との関係の整理が不可欠」
玉木氏は党として具体的な結論を出しているものではなく、「大前提として、私自身は自国の国旗も他国の国旗も尊重し、損壊してはならないとの立場です」とした上で、慎重な判断が必要だとした。
「特に、表現の自由や内心の自由との関係で問題になります」とし、外国国章損壊罪については「国家間の親善関係(外交的利益)」および「国際的な信義(国家の尊厳)」を守る目的があるとした。
一方で、「自国の国旗を損壊するだけでは『外交的利益』を害することにはならないので、刑法92条の規定の中に日本国旗をそのまま追加することはできない」上、法制化にあたっては「『表現の自由(憲法21条)』との関係の整理が不可欠」だという。
「『行動』も明確なメッセージを伴う場合は『言論』とみなされる」
アメリカでは、「政府がある思想が社会的に不快であるという理由だけで、その表現を禁止することはできない」などとの理由で国旗損傷を犯罪とする州法を違憲とした判例が複数あるとし、「『言葉』だけでなく『行動(国旗を焼く、特定の服を着るなど)』も、それが明確なメッセージを伴う場合は『言論』とみなされるという原則が強固なものとなりました」と説明。
日本でも国旗損壊罪の新設にあたっては、「そもそも保護法益は何か」「表現の自由との関係でどのような行為を禁止できるのか」「『侮辱する目的』などの主観的意図は必要か」「政府による請求を要件とするか」「罰則を設けるのか」「実務上、違反に対応可能か」との課題を踏まえ、議論を行う必要があるとした。
玉木氏は同日の記者会見でも、国旗損壊罪について発言している。
「1番大事なのは保護法益、何の目的であるかっていうことなんだと思います」とした上で、「例えば普通の人は、日本国旗を損壊しない。ただ、政治的な意思を表明するためにそういったことをされる方はいる」とし、アメリカでの判例に言及。
「内心の自由は憲法上でも最も優越的に保護される権利なので、保護法益のバランスの中で、どういうルールが作れるのか作れないのか」
「感情的に、単純に『外国の国旗を損害したら罰があるけど、日本国旗はないから入れる』っていうものではない」としていた。
「国民はそんな難しい議論を望んでいるのか?」
玉木氏の呼びかけには、「国民はそんな難しい議論を望んでいるのか? 他の国の国旗を尊重すると同じように国旗を尊重しようという、ただ、それだけ」「他国の国旗も大切にするならば、自国の国旗を大切にするのは当たり前」など、さまざまな意見が寄せられた。
玉木氏はアメリカによる判例を挙げていた一方で、ドイツやイタリア、韓国などには自国の国旗の損壊にまつわる罰則が制定されている。
こうした背景から、「違憲との判決があるアメリカの事例のみをもって国民の意見を促すこと自体に違和感を感じます」などとあきれる声もある。
【国旗損壊罪について皆さんの意見を聞かせてください】
— 玉木雄一郎(国民民主党) (@tamakiyuichiro) March 31, 2026
国旗損壊罪については、いくつもの興味深い法的論点を含んでいるので、ぜひ皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
国民民主党として、現時点で何か具体的な結論を出しているものではありません。…