繁華街では、飲食店の料金トラブルや、いわゆる「ぼったくり」に関する注意喚起が後を絶たない。マッチングアプリをきっかけとした被害も指摘されており、トラブルの手口は巧妙化している。マッチングアプリで知り合った女性と会い、思わぬ高額請求に直面したという男性がいる。田中直人さん(仮名・30代)は、数年前に東京の歌舞伎町で苦い経験をした。女性に案内された雑居ビルのバー当時、田中さんは試しにマッチングアプリを利用していた。そこでマッチした女性と、歌舞伎町の近くで待ち合わせることになった。「その頃、歌舞伎町での事件のニュースを見ていて、少し怖いなと思っていたんです」女性と合流すると、「友達におすすめされた店がある」と話し、近くの雑居ビルへ案内された。エレベーターで上がった先には、小さなバーのような店があったという。店内でメニュー表を見ると、小さなグラスのカクテルが2000円、軽食も1000円前後と、全体的に価格は高めの設定だったそうだ。「少しだけ飲んで、別の店に行けばいいかなと思っていました」しかし女性は、入店後次々と注文を始めた。「お酒、甘いのください」メニューにない注文にも、店員は戸惑う様子を見せずに対応していたようだ。田中さん自身は、ウーロン茶1杯を頼んだだけだった。「『あ、これはハメられたんだろうな』と思いました」しばらくして会計を求めると、提示された金額は合計で7万円だった。「さすがに間違いだと思いました。でも店側は、『メニュー通りです』と説明してきました」田中さんは手持ちの現金がなかったため、女性のカードでの支払いを提案。しかし店側は、「カード端末が故障している」と説明した。結局、黒服の男性に付き添われ、近くのATMに向かうことになった。「この時点で、『あ、これはハメられたんだろうな』と思いました」黒服の男性はもう1人いて逃れるようなことはできず、最終的に合計7万円を支払った。店を出る際、店員は深々と頭を下げたそうだ。その後、女性とはアプリ上でのやり取りが続き、「半額返す」との連絡もあった。しかし実際に払われることはなく、アカウントもほどなくして削除されていた。「勉強代を払ったと思うしかないですね。危険な事件に巻き込まれなかっただけよかったのかもしれません」繁華街では、客引きや知人の紹介をきっかけに飲食店トラブルへ発展するケースもある。料金体系が不明確な店舗や、初対面の相手に勧められた店に入る際は、事前に十分な確認が求められる。
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