今国会で議論が進む再審制度をめぐり、2026年4月3日放送の「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)にえん罪をテーマにした映画を制作した映画監督の周防正行さんが出演、現在の法制議論に提言を投げかけた。法制審議会(法相の諮問機関)は2月に再審制度を見直す刑事訴訟法改正の要綱を平口洋法相に答申した。
現法制度の問題点とは?
番組は2024年9月に再審無罪判決となったいわゆる袴田事件をとりあげながら、指摘されている現法制度の問題点を紹介。現行制度に「証拠開示」の義務がないことへの違和感が、周防さんが映画「それでもボクはやってない」を手がけたきっかけの1つだったという。映画の1シーンに、えん罪被害者の友人が弁護士に問うシーンがある。「証拠って全部見れないんですか?全部見て有罪か無罪か決めるんじゃないの?」。
周防さんは「まさに僕が刑事裁判の取材を始めて自分が感じたもの。本当に『えっ、証拠って全部見れないんだ』というのが素直な驚きだった。人質司法という言葉は取材してすぐに耳に入ってきて、(2011年から3年間周防さんが委員だった)法制審の会議でも人質司法の解消ということを提案したら、そう言われる事実はないと言われた。でも大川原化工機のような事件が起きてしまったわけですよね。この映画は僕が刑事裁判の取材で自分自身が驚いたもので構成されている映画です」と話した。
「検察官の不服申し立て禁止」は盛り込まれず
さらに、袴田事件を見てもわかるように、再審開始決定までの長期化の要因になっているものとして、「検察官の不服申し立て」があると指摘。今回答申された要綱には「検察官の不服申し立て禁止」については盛り込まれなかった。
周防さんは主張する。「僕の映画の最後に『どうか私をあなたたち自身が裁いて欲しいと思うやり方で裁いてください』と使ったが、最後は最高裁で判断するわけですから最高裁の人たちに向かってこの映画の最後の言葉を伝えたい。裁く側の人たちもまた1市民として裁かれる側に立つことがある。そこへの思いが全く彼らには見えない。特に法制審議会に参加して強く思った」と語り、えん罪が繰り返されないための再審制度の確立を強く訴えた。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)