日本がイランから特別扱いを受けた理由
ところで、なぜイランは日本に対して特別扱いとも受け取れる発言をしたのだろうか。
日本にはイギリスやフランス、アメリカのような「中東での植民地支配の歴史」がなく、キリスト教対イスラム教といった宗教的なしがらみからも比較的自由である点は挙げられるだろう。
しかし、最も大きな要因は、1953年の「日章丸事件」ではないだろうか。
イギリスの巨大石油資本による石油利権の独占に反発したイランが石油を国有化すると、イギリスは軍艦を派遣し、中東の海を事実上封鎖した。
世界中がイギリスの軍事力を恐れてイランから石油を買わないなか、日本の出光興産は自社タンカー「日章丸」を極秘裏に派遣した。
イギリス海軍の厳重な監視網をかいくぐり、命がけでイランの石油を日本に持ち帰ったこの歴史的快挙は、イラン国内で「大国イギリスの不当な支配に一矢報いた」と称賛されたのだ。