刑事罰に至らない場合、退職金の返還は求められない
では、公務員の退職金に関するルールはどうなっているのか。
地方自治体の退職手当制度は、多くの場合、国家公務員の制度を参考に各自治体が条例で定めている。
多くの条例では、在職中の行為について一定以上の刑事罰が確定した場合に、不支給や返納の対象とする仕組みが採用されている。
このため、明確な犯罪で有罪となった場合には退職手当の減額・不支給が可能だが、刑事罰に至らないハラスメントや倫理問題については対応できないケースが多い。
この点については、政治的・道義的責任と法的責任の間にギャップがあるとの指摘もある。
当然ながら、首長の退職金は市民の税金から支払われる。
さらに、不祥事によって任期途中で辞職した場合、自治体は予定外の選挙費用と退職金という二重の財政負担を強いられる。
これでは首長だけが「辞め得」になるとの批判が出るのも無理はない。