ニセコで「重油」約2000L流出事故、高級温泉旅館から流れた先は... 「水質が最も良好な河川」でお馴染みだった

   鶴雅観光開発(釧路市)が2026年4月8日、北海道・ニセコ町内で運営している温泉旅館「ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄」で施設管理用の重油が敷地外へ流出する事故があったと公式サイトで発表した。流出量は推定で約2000リットル。

   旅館は1級河川の尻別川に流れ込むニセコアンベツ川沿いに建っており、これらの川にも、重油の流入が確認されたとしている。

  • 尻別川が流れる北海道・蘭越町から見た羊蹄山
    尻別川が流れる北海道・蘭越町から見た羊蹄山
  • 「ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄」(リリースより)
    「ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄」(リリースより)
  • 「ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄」のラウンジ(リリースより)
    「ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄」のラウンジ(リリースより)
  • 「ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄」展望温泉風呂付特別室(リリースより)
    「ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄」展望温泉風呂付特別室(リリースより)
  • 「ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄」露天風呂(リリースより)
    「ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄」露天風呂(リリースより)
  • 尻別川が流れる北海道・蘭越町から見た羊蹄山
  • 「ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄」(リリースより)
  • 「ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄」のラウンジ(リリースより)
  • 「ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄」展望温泉風呂付特別室(リリースより)
  • 「ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄」露天風呂(リリースより)

重油タンクの管理ミスで許容量超過、流出

   同社は「近隣住民の皆様、関係当局の皆様、施設にご宿泊を予定されていたお客様、ならびにニセコアンベツ川・尻別川周辺の環境に多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます」などと謝罪し、9日に続報を伝えている。

   調査報告によると、7日15時ごろに玄関付近で起きた出来事だった。原因としては、1基あたり1万5000リットルが入る重油タンク2基の間で、油量を調整する燃料移送ポンプを作動させたまま従業員が現場を離れた結果、重油がタンクの許容量を超え、空気通気管から外に漏れ出たと説明している。

   重油は隣接する流水溝を通じてニセコアンベツ川へ流出し、同日に約5キロ下流の蘭越町を流れる尻別川合流口付近(北電昆布発電所取水堰)で浮遊しているのを確認したとしている。拡散を防ぐため、消防ら協力のもとオイルフェンスと吸着シートを設置し、流水溝と駐車場に滞留した重油の回収を進めたという。

   今回の事故は周辺環境への影響も懸念される。重油が流れ込んだ尻別川は、国交省が水質調査のBOD値(生物化学的酸素要求量)をもとに毎年発表する1級河川の水質ランキングで多々1位を獲得してきた場所だ。なお、中流域のニセコ町でニセコアンベツ川が合流しており、隣の蘭越町を経て日本海へ出ていく。

直近10年で8回「水質が最も良好な河川」に

   国交省が25年7月に発行した資料では、直近10年(平成27年~令和6年)で4回以上「水質が最も良好な河川」に入った20河川のひとつとして紹介され、熊本・川辺川(10回)、宮崎・五ヶ瀬川(同)、福島・荒川(同)、鳥取・小鴨川(9回)、北海道・後志利別川(同)に次いで、上位6番目に尻別川(8回)が食い込んでいた。

   このように清流として知られ、5町2村にまたがり、肥沃な土壌をもたらす尻別川。長さは126キロ、流域面積は1640平方キロ、流域内人口は約3万4000人とされる。川の中にはヤマメやニジマスなど多くの淡水魚が暮らす生態系があるほか、環境省の第4次レッドリストで「絶滅危惧IB類(EN)」に分類されたイトウの存在も。イトウは成長すると海へ下るが、春になると産卵のため遡上する性質をもつ。

   重油流出の発表で、鶴雅観光開発は「今回の事態を厳粛に受け止め、被害の拡大防止と環境回復に誠心誠意取り組んでまいる所存でございます」とし、河川汚染の広がり、臭気による周辺住民の影響を精査しているとも説明していた。

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