高市首相の悲願「国旗損壊罪」に自民・岩屋毅氏「政治的アピールになる恐れ」 参政党は猛プッシュ「罰則を」

「日本国旗を損壊しても全くお沙汰なし。変じゃないですか」

   2026年1月、衆院選の第一声で高市早苗首相はこのように述べて、日本国旗を傷つける行為を処罰する「国旗損壊罪」の制定に意欲を見せた。

   自民党では3月31日、プロジェクトチーム(PT)が発足し、議論が活発化。表現の自由との兼ね合いや罰則を課すことが検討され、党内からは慎重論も上がっている。

  • 自民党の岩屋毅・前外相(写真:picture alliance/アフロ)
    自民党の岩屋毅・前外相(写真:picture alliance/アフロ)
  • 参政党の梅村みずほ参院議員(写真:つのだよしお/アフロ)
    参政党の梅村みずほ参院議員(写真:つのだよしお/アフロ)
  • 自民党の岩屋毅・前外相(写真:picture alliance/アフロ)
  • 参政党の梅村みずほ参院議員(写真:つのだよしお/アフロ)

「国民の意識に萎縮効果を与える恐れも」

   2回目のPTが開かれた4月9日、慎重な姿勢を見せる岩屋毅・前外相は終了後の囲み取材に対して、実際に国旗損壊が起こってないのに、制定を考えることについてこう主張した。

「ある意味、政治的なアピールのための立法になる恐れがあるのではないか。一部の方々の心情に訴えるがための政治的アピールというような立法は、憲法が保障する内心の自由、表現の自由、最も守られるべき憲法法益に照らして適切ではないと思う」

   そして、「国旗や国家を尊重するという国民の意識は幅広く共有されていると思いますので、そういうことがあちこちで起こっているのであれば、いざ知らず、そうでないのに、あえてこの時期に立法をするということは、国民の意識に萎縮効果を与える恐れもあるのではないか」と持論を述べた。

   この発言が報じられるとSNS上で注目を浴び、「象徴を軽んじる姿勢こそが国民の信頼を損なうのではないか」「表現の自由は国民の心を踏みにじる行為ではいけないと思う」「国章損壊罪なんか作ってしまうと、やがて不敬罪とか首相批判罪などが作られます」など賛否両論が出た。

2012年には議員立法も廃案「野党の賛同得られず」

   国旗の損壊に関しては、現行の刑法では「外国国章損壊罪」を定めるが、日本国旗は対象外となっている。

   高市首相は、2012年に国旗損壊罪法案の議員立法提出に関わったが、廃案となった。

   25年10月の日本維新の会との連立合意の中には、同法案の創設が盛り込まれた。

   高市首相は前述の衆院選の第一声で「議員立法を自民党で党議決定して、国会に提出した。残念ながら解散で廃案になった。でも、その後二度と出せなかった。どんなに頼んでも野党のご賛同が得られなかった。自民党内のルールで出せなかった」と話していた。

   岩屋氏発言の1週間前となる4月2日には、参政党が国会に刑法改正案を提出。「日本国国章損壊罪」を設け、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金とする内容だ。

   6日の参院予算委員会では参政党の梅村みずほ参院議員が高市首相に、日本の国旗は「破られても汚されても、おとがめなし」と指摘。「国旗損壊罪には罰則を設けるべき」と主張し、首相に意見を求めた。

   高市首相は、国旗損壊罪の制定に向けて自民・維新で議論をしている最中であることと、参政党からも議員立法で法案が提出されている状況であることを踏まえ、「内閣総理大臣としては、その内容について見解を申し上げることは差し控えたい」と述べるにとどめた。

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