京都府南丹市内の山林で男児の遺体が見つかった事件で、死体遺棄の疑いで逮捕された会社員の父親(37)が殺害も自供したと、報道各社が報じ始めている。
ただ、司法解剖の結果、死因は分からなかったと報じられており、事件にはまだ不可解な点も多い。刑事事件に詳しい識者は、府警の捜査本部がクリアすべき課題をいくつか指摘している。
虐待などに関する相談はなかったというが、どんな動機が
メガネをかけ、マスクをした父親が、捜査員に囲まれながら、マスコミの方にチラリと視線を送る。「私のやったことに間違いありません」と容疑を認めているといい、観念したかのような様子にも見えた。
父親が2026年4月16日未明に逮捕され、この日のうちに送検されると、テレビニュースが父親のこんな姿を番組内で放送した。
報道によると、父親は、養子である安達結希さん(11)が行方不明になった3月23日朝から安達さんの遺体が見つかった4月13日夕までに、南丹市内の山林などに遺体を遺棄した疑いが持たれている。父親は、単独でやったと供述しているという。
市内の別の場所にあった遺体を移動させたとも報じられている。3月29日には別の山林でリュックが、4月12日に安達さんのものとみられる靴がまた別の山林で見つかっており、父親が関与した可能性もあるという。リュックを見つけたのは、別の親族だとされている。
安達さんは、3月23日朝に生存が確認されており、父親の車も学校付近まで走っていたという。車に安達さんが乗っていたかどうかは、京都府警は明らかにできないとしている。
その後、16日になって、父親が安達さんの殺害も認める供述をしたと報じられた。
父親は、安達さんの母親と昨年再婚し、安達さんとは、戸籍上は養父に当たるという。府警には、虐待などに関する相談はなかったといい、一体どんな動機があったのだろうか。
殺害の物証がないと、「否認に転じれば逃げ切りもあり得る」
安達さんの遺体を遺棄した動機については、捜査本部は現時点で、「捜査に支障があり、お答えできない。今後の取り調べで明らかにしていく」と述べたという。
死因についても、「不詳」とされており、遺体には、刺し傷などの外傷は確認されず、衣服についても、目立った損傷はなかったと報じられている。
死体遺棄の疑いでも何らかの物証が必要とみられているが、ヤフーニュースの公式コメンテーターもしている山岸久朗弁護士は4月16日、「私の見立てでは、当日の捜索差し押さえで、家の中か、車の中から、被害者安達結希さんの血痕反応が出たから逮捕に踏み切ったのだと予想する」とXで投稿した。ただ、犯行が杜撰すぎることなど不可解な点はあるとし、「防犯カメラ見たら送ってきたなんてすぐ嘘やってバレるってわかりますやん... 雑木林に隠しもせずに横たわらせるとか まーリュックとか靴とかで撹乱してたし 事故に見せかけたかったのだろうか」と推測した。
東京都庁、警視庁を担当する東京都監察医務院に勤めた経験があり、遺体管理学に詳しい伊藤茂さんは、同日のX投稿で、「複数箇所に死体を移動をさせての遺棄 コレは実に理に適った行動」と指摘した。その理由として、「一度捜索や捜査をした場所は安全 再捜索や再捜査で同じ場所を探す率は低い」ことを挙げた。ただ、司法解剖で「死因が殺害に関する鑑定書が出るかどうか」が問題だという。口や鼻を手で防ぐなどの方法だと物証はなく、「鑑定書が『死因不詳』で、凶器や薬物を使用しない殺害では『否認に転じれば逃げ切りもあり得る』」ともしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)