高市内閣は2026年4月21日の閣議と国家安全保障会議(NSC)で、武器輸出を「救難・輸送・警戒・監視・掃海」に限定する「5類型」を撤廃し、殺傷能力のあるミサイルや艦船・車両などの輸出を解禁した。戦後日本を形作ってきた平和主義からの転換だ。「news23」(TBS)のキャスター小川彩佳さんは4月21日の放送で、「こんな重要なことを閣議だけで決めていいのでしょうか」と疑問を呈した。
真山仁氏「国会で論議しないでいいことなのか」
「一度踏み込んでしまうと、後戻りできなくなる非常に重い方向転換だと思うんですけど、これが(国会で議論せず)閣議決定で決まっていいのかというところがありますよね」と、小川さんはいうのだ。
TBS報道局の防衛省キャップが「政府、与党内には、今回はスピード感を重視したという声があります」と報告すると、コメンテーターの小説家・真山仁氏は「スピードと拙速は非常に近いんです」と首を傾げた。
「(国会への)事後報告というのは、平和を大切にする日本としてやるべきではないと思います。デリケートなところはちゃんと審議しましょうと。それが多くの国民の信頼を高めていくことになると思うんですよ」と、高市内閣のやり方を批判した。
高市首相「時代は変わった」、理想も変わった?
小川キャスターは「高市総理も、平和国家への理念は変わらないとおっしゃってますけれども、信頼を損なわれない運用はどういうものなのか、国民にもっと丁寧に説明する必要があると思います」と求めた。
宮澤喜一元首相は外相だった1976年5月、武器輸出について質問され、「わが国は兵器の輸出をしてカネを稼ぐほど落ちぶれてはいない。もう少し高い理想を持った国として今後も続けていくべきだ」ときっぱり言い切り、委員会がどよめいたことがあった。しかし、高市首相は「時代は変わった」とにべもない。変わったのは時代ではなく、政治家の品と理想の高さだろう。
(シニアエディター 関口一喜)