2026年4月23日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で、労働社会学が専門の千葉商科大教授・常見陽平氏が、元テレビ朝日社員でコメンテーターの玉川徹氏と論争する場面があった。この日は昭和と令和の働き方の変化についての特集が組まれ、常見氏がゲスト解説者として出演。ネット上では、常見氏と玉川氏が言い争う2つの場面が主に注目を集めている。常見氏は4月24日にJ-CASTニュースの取材に応じ、問題点などを話した。退職代行、ホワイトハラスメント、静かな退職...働き方の「世代間ギャップ」の話題で23日の番組では、昭和と令和の働き方を巡る世代間ギャップを特集。番組の冒頭では、26年4月入社の新入社員が「退職代行」を利用した件数を紹介した。だが常見氏は、退職代行を使う若者がマジョリティーではない点に注意を促した。また、上司や先輩の過剰な配慮が部下や後輩の成長機会を奪う「ホワイトハラスメント」についても、ハラスメントかどうかという点に問題が矮小化されていると指摘。「会社がいかに上司を育てるのか、守るのか」という論点が重要だと説明していた。こうした中、コメントを求められた玉川氏は「全然上司の言うことを聞かない新入社員だった」と自身を振り返りながら、「軋轢があっても生き残る人間は生き残るとしか思わない。温かく迎え入れても辞めるやつは辞めちゃう」などと主張。さらに「今の世代だけ苦しい思いをしているみたいなことを言われると、むしろ甘やかしているんじゃないの」とも述べた。こうした発言に対し、常見氏は「精神論で世の中を見てはいけない」「苦しさの種類が違う」と批判したが、議論は平行線のまま中断した。番組ではその後、最低限の業務だけに携わる「静かな退職」も取り上げた。常見氏は「これのどこか悪いんですかということを問いたい」と投げかけた上で、この働き方が選択されるいくつかの背景を解説。この一因として、「うちの会社はまともなビジネスをやっているのか」といった疑問を会社に抱くことを挙げた。この流れで、アシスタントの松岡朱里アナウンサーに「最近のワイドショーどう思います?」「僕ら国民からすると『京都の殺人事件をこれだけ報じないといけないのか』と思う」と常見氏は問いかけた。だが、そこで玉川氏は、「なんでそれ聞くんですか」「それは別にいま彼女に話させるのは凄くリスキーですよ。可哀想。そんなこと聞くべきじゃないですよ」と批判。常見氏は質問の意図について、「働いていてうちの会社は真っ当なことをしているのかが問われていると思います」と説明していた。「忙しく働くのが当たり前と断じたことを私は許しません」今回の放送後、常見氏と玉川氏が言い争った2つの場面が注目を集めた。玉川氏への反論や松岡アナへの質問に対し、常見氏に肯定的な意見が上がっていた。しかし一方、常見氏は23日、松岡アナへの質問について「ハラスメントだ」「女性にそのような質問をするとは」「弱い立場で答えられないのに質問した」などの批判があったとXで言及し、改めて質問の意図などを説明していた。常見氏は24日、J-CASTニュースの取材に応じ、次のように玉川氏を批判した。「私が問題視しているのは、玉川さんの態度が出演者にも視聴者にも不誠実だったことです。昭和から令和にかけて働き方が変化する中で、『退職代行』や『静かな退職』、『ホワイトハラスメント』などで若者が奇異に見えるかもしれない。しかし、それは社会が変わりきれていないことが原因なのです。このような解説をしようとしても、玉川さんは最初から否定モードで、『みんな苦しいのは変わらない』という話をし始めました。そうすると、専門家を呼んで労働の構造を議論する意味がない。ゲスト解説者として私が呼ばれた意味がないわけです」また、玉川氏が「辞めるやつは辞めちゃう」などと話していたことには精神論であり、組織や社会の問題を個人の問題に還元し、議論を放棄するような態度だと、常見氏は批判する。そして常見氏が「本当に怒っている」と言ったのは、今回の特集の終盤で玉川氏が「健康の問題とか色々あるんだけれども、例えばこの番組にも、ディレクターは必ず徹夜しなきゃいけない、1週間に1回。徹夜が当たり前にある仕事っていうのも、この仕事がしたいんだったらしょうがないんだよね」などと発言した箇所だ。「NHKの記者が2013年7月、31歳という若さで過労死しました。私はその方のご遺族とは過労死撲滅イベントで一緒に共演したこともあります。この問題をテレビ局は忘れているんじゃないのか。『テレビ局は残業して当然だ』ということを、なぜメディア関係者が軽々しく言うのか」この玉川氏の発言について常見氏は24日のX投稿でも、メディア業界での過労死の事例を挙げた上で、「玉川氏がなんの反省もなく、忙しく働くのが当たり前と断じたことを私は許しません」などと厳しく言及している。京都男児遺棄事件の報道めぐり、松岡アナに質問した理由とは?もう1つの焦点となった松岡アナへの質問の経緯については、働くことや稼ぐことに対する無力感が一因にある「静かな退職」と、連日のように京都男児遺棄事件を報じる番組への違和感がつながっていたからだと説明する。「京都男児遺棄事件はオールドメディアの問題を象徴しています。もちろん殺人事件などを報じる意味はあります。その背景に様々な構造や問題があるかもしれないので。しかし京都の事件は過剰に報道されており、視聴者の知りたいことともずれています。ですので、メディアで働いている若い世代は、無力感を抱くんじゃないかなと思うわけです。少し分かりづらかったかもしれませんが、『静かな退職』の議論とつながっています」常見氏は、この質問に対し、玉川氏が「なんでそれ聞くんですか」「可哀想」などと発言したことや、SNS上で寄せられた「女性にそのような質問をするとは」などの批判については次のように述べた。「私は、1人のプロである松岡アナに真摯に答えてもらいと思い、質問しました。しかし玉川さんの発言やSNS上での批判は、女性のアナウンサーを飾り物のように扱うような態度であり、そうした考え方自体がセクシュアルハラスメントだと思います」
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