非現実だけに溺れないように
推し活とはある意味、麻薬のようなものだ。行けば行くほどもっとその世界に浸かりたくなる。メン地下は客層が若いことも関係し、破天荒な応援の仕方を取ってしまうファンが本当に多い。
過激な推し活は社会問題として取り上げられている。「運営側もファンに無理をさせないように注意をすべきだ」という声がある一方で、演者もスタッフもファンがいなければ生活ができないという面もあろう。ただ、通い続ける多くの人は感覚が麻痺しがちだ。いくら好きが高じても、人生につまずかないためには自己をしっかりと保つことと、親などの身近な大人が目を光らせることも必要だと思う。
もっとも、なかには借金まみれになって強制的に推し活を終了させた例も聞くけれど、根っこからズブリとハマった人には「荒療治」でないと目が覚めないのかもしれない。過剰な応援の抑止を考える中で、最も難しい部分であるといえよう。
推し活とは一種の夢だ。長い夢を見続けたいのなら一瞬の打ち上げ花火でない方がいいのは明らかなものの、盲目的になると自らの手で首を絞めてしまう。正しい判断をするためには推しメン以外の世界をきちんと持つことと、「推しの穴を別の推しで埋めようとしない」のが人生を「詰ま」ない秘訣である。
推しは夢を見せてくれるだけで生活の面倒までは見てくれない。だからこそハマっても頭の片隅では冷静さを3割くらいは持ち、非現実だけに溺れないようにしたいものだ。
【プロフィール】
たかなし亜妖/2016年にセクシー女優デビュー、2018年半ばに引退しゲーム会社に転職。シナリオライターとして文章のイロハを学び、のちにフリーライターとして独立する。現在は業界の裏側や夜職の実態、漫画レビューなど幅広いジャンルのコラムを執筆中。