ロシアからの原油調達の本格拡大には大きなリスクが
他地域の代替が困難を極めるなか、地理的に圧倒的に近く、輸送コストも低く抑えられるロシア産原油は、極めて魅力的に映る。
だが、ロシアとのエネルギー貿易を本格的に拡大することは、多大なリスクを伴う。
まず、ロシアの銀行が国際銀行間通信協会(SWIFT)から排除されているため、安定した資金決済には制約がある。
さらに、欧米の保険会社がロシア産原油を運ぶタンカーへの海上保険を引き受けにくくなっているため、万が一の海難事故や原油流出が起きた場合、補償面で大きな不安が残る。
そして、何より最大の懸念は、外交的なリスクだ。
G7が結束してロシアへの経済的包囲網を敷くなかで、日本がロシア依存を深めれば、G7諸国との足並みや日本の外交的信頼にも影響を及ぼす可能性がある。
今回のホルムズ海峡危機では、化石燃料の調達を海外の特定地域に過度に依存し続けてきた、日本の戦後モデルの限界が見えたと言えるだろう。