札幌市東区の少年野球場にある屋根付きベンチ(ダッグアウト)などについて、市が違法建築として撤去勧告をしたことに対し、ネット上で疑問も続出して議論になっている。この問題は、地元の北海道新聞が2026年5月21日にウェブ版記事などを出し、読売新聞も翌22日に大きく報じた。「札幌市の硬直的な判断が残念」との声も出たが...札幌市東区の総務企画課にJ-CASTニュースが確認したことなどによると、市は、小学校跡地を03年度から地元の東区少年軟式野球連盟に無償で貸し出している。ここは、都市計画法で建物建築が原則禁止されている市街化調整区域に当たる。ところが、連盟は、開発許可や建築確認の申請をせず、簡易トイレや物置、喫煙所などを次々に設置した。そして、24年4月には、プロ野球・日本ハムから寄付金200万円を受けて、一・三塁側に屋根付きベンチを設けるなどした。これらも、開発許可などを受けていなかった。ところが、東区が11月に年1回の調査を行って、20年にわたる違法建築が発覚した。ベンチ設置の前は、違法だと気付いていなかったという。この事態を受けて、市は翌25年5月、連盟に対し撤去勧告を行っていた。その後は、違法建築物を使わない条件で、野球場の貸し付けは続けている。報道によると、連盟では、規模が小さいため問題ないと考えてしまったと説明しているといい、認識が甘かったことを反省しているという。ただ、撤去には数百万円もかかるかもしれないとして、対応に苦慮している。ベンチなどの代わりとして、テントを立てたり、簡易トイレを借りたりすることも検討しているという。こうした報道を受け、ネット上では、様々な意見が書き込まれている。ベンチなどの使用禁止や撤去を市が求めていることには、疑問の声も多かった。「真夏日に熱中症になったらどうするん?」「札幌市の硬直的な判断が残念」「今回のみ特例措置で、以後は厳しく」といった意見があった。札幌市「特例を許すと、法の根拠が崩れてしまう」一方で、厳しい対応をした札幌市の姿勢については、理解を示す向きも見られた。「無許可で建てた側に非がある」「これを許したら、次々と善意でないものまで造られる」「違法建築となれば、撤去するしかない」屋根付きベンチなどについて、東区の総務企画課は5月22日、J-CASTニュースの取材にこう説明した。「この土地は、少年野球のグラウンドに貸し出しており、その目的に合えば建築にOKが出たのではないかと思います。開発許可のほか、建物の構造が建築基準法に適合していれば建築確認の申請にも通った可能性があります」とはいえ、事後許可などの特例については認められないと強調した。「建物については、何も届け出がありませんので、審査は行われません。法的に後から許可を与えるのはありえないことで、申請も受け付けていません。法の建前上、こうしたことを許すと、既成事実を作られることになりかねませんので、法の根拠が崩れてしまいます」今後どうなるのかについては、こう話した。「連盟と話し合ったわけではありませんが、野球場に隣接する公園にトイレはあります。日除けにテントも考えられると思います。連盟を支援する動きについては、まだ聞いていません」(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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