共産党の山添拓政策委員長(参院議員)が2026年5月30日、Xで「対ウクライナ戦争」との表現を用いた投稿を行い、SNS上で波紋を広げでいる。「日本はNATO加盟国ではなく、対ウクライナ戦争の当事国でもない」山添氏は29日にNHKが「NATOのウクライナ支援司令部に自衛官派遣へ防衛省」の見出しで公開した記事を引用し、防衛省の発表をめぐる疑問を呈した。記事によると、防衛省は、ウクライナ軍の支援のためドイツに設けているNATO(北大西洋条約機構)の司令部に自衛官4人を派遣する。派遣された隊員は、計画立案や調整などの業務にあたる見通しだ。山添氏はこうした決定をめぐり、「日本はNATO加盟国ではなく、対ウクライナ戦争の当事国でもない。『最新の戦い方』を学ぶというが客観的には『学ぶ』にらとどまらない」と指摘した(原文ママ)。「だいたい『戦い方』を学ぶとは、文字通り戦う自衛隊に変えようということにほかならない」とし、「憲法からの逸脱であり、『平和のため』と言い張るのは強弁でしかない」と批判した。日本政府は「ロシアによるウクライナ侵略」と表現SNSでは、山添氏の「対ウクライナ戦争」との表現に疑問の声が続出した。22年2月に起こったロシアとウクライナの戦争について、日本政府は「ロシアによるウクライナ侵略」と表現している。日本のメディアの多くは「ロシアによるウクライナ侵攻」、国際連合でも「ロシア連邦のウクライナ侵攻」などと表現されており、「対ウクライナ戦争」とされるケースは稀だ。なお、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」では、「ロシアのウクライナ侵略」との表現を採用。ロシアによる侵略行為を批判する記事を複数公開している。4月11日に開かれた「Q&A 戦争への道をどう止め、平和をどうつくるか」と題する学習会では、志位和夫議長が「ロシアのプーチン政権はウクライナへの侵略戦争を開始して、まる4年になるけれども、無法な戦争をやめようとしない。これらのふるまいを許したら、国連憲章と国際法はあってもなきがごとし――形骸化してしまうことになります」などと主張していた。「日本共産党は誰視点で世界情勢を考えているか、非常にわかりやすい」こうした背景から、山添氏による「対ウクライナ戦争」との投稿を見た人からは、「対ロシア戦争の間違いでは?」「まるで侵略者であるロシア側からの視点のように聞こえる」などとする指摘が相次いだ。千代田区議の白川司氏は、「ウクライナにとっては対ロ防衛戦争だということがわかってないの?」と疑問を呈し、「失礼だとは思うが、安全保障を語りたがる割に、基本知識がほとんどない気がする」とつづった。東京都議の荻野稔氏は、「対ウクライナ戦争?」と困惑を示している。ウクライナ出身の政治評論家、ナザレンコ・アンドリー氏は、「>>対ウクライナ戦争 日本共産党は誰視点で世界情勢を考えているか、非常にわかりやすい」と反応。「中立的にみるなら『ロシア・ウクライナ戦争』、民主主義陣営の立場から見ると『ロシアによるウクライナ侵略』。対ウクライナ戦争は、ロシア立場でないと出てこない言葉」と指摘した。医師で小説家の知念実希人氏も「『対ウクライナ戦争』はさすがにヤバくない......? なんで侵略者のロシア側に立っているの?」と困惑を示している。
記事に戻る