中国が対日禁輸をさらに拡大させた。2026年6月30日放送の「プライムニュース」(BSフジ)は冷え込む日中関係について背景を探った。番組は、中国商務部が29日に三菱電機や三菱重工業のグループ会社や防衛研究所など20の企業や団体を輸出規制リストに追加、中国からの軍民両用品目の輸出を即時禁止したと報じる。
「アメリカに対する影響力を考えていた」
中国による輸出規制は昨年、2025年11月の高市首相の台湾有事発言をきっかけに、今年2月、日本の20の防衛関連企業・団体を輸出規制リストに掲載、軍民両用品目の輸出禁止を決定。さらに今回、第2弾という形で対日圧力を強めたかっこうだ。
なぜ今なのか。中国事情に詳しい講談社特別編集委員の近藤大介さんは関係筋への取材としてまず2月の対日輸出規制の件をとりあげる。「もっと早く(規制を)やりたかったが旧正月があったことと、アメリカに対する影響力を考えていた。第2弾、第3弾(の輸出規制)を用意していて今後大きなことが起きればやっていくということを当時言っていた」と振り返る。そして、5月28日にフィリピンのマルコス大統領が高市首相と共同宣言を発表した。
トランプ・習会談で「握った」か
近藤さんは「中国を念頭に、日本とフィリピンの排他的経済水域などの海洋境界を画定するための交渉を開始するという発表をした翌日に、中国側のものすごい反発が強まり、『これは何か来るな』という予感はしていた」と話す。
今回の輸出規制リストに三菱系や防衛省関係など20の企業や団体が追加されたが、アメリカへの配慮はあったのか。近藤さんは「アメリカの虎の尾を踏まないようにするというのは2月の段階のことで、5月にトランプ大統領が訪中して習近平国家主席と会談をしている。あそこで中国はアメリカと『握った』と考えている」と分析した。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)