双葉社、「炊き出し」現場描いたルポで回収・配信停止 取材時の対応や「人権に関する問題」浮上

「野宿者、生活困窮者を奇異な観察対象として取り上げて、揶揄、冷笑」

   同書をめぐっては、野宿当事者および支援者からなる団体「ねる会議」が、「取材の手法と、内容の両面において、野宿者、生活困窮者を侮辱し、危険にさらすものであり、また事実関係においても多くの誤りを含みます」と抗議をしていた。

   抗議文ではその内容について、取材対象者の「野宿にいたる経緯、生活保護利用の状況、病歴、職歴など多岐にわたるプライベート情報が記載」されていると説明。個人の特定や、生活場所の安全を脅かす行為だとしていた。

   さらに、「同書は全体として、野宿者、生活困窮者を奇異な観察対象として取り上げて、揶揄、冷笑する視点から書かれています」とし、具体的な差別的表現の例をあげた。

   16日までに、Amazonでは同書の取り扱いを終了。「この本は現在お取り扱いできません。」との表示に切り替わっている。

   書籍の紹介文では、「炊き出し界に集まる人々。彼らはなぜ食事を求め、列に並んでいるのか」とし、「さまざまな街を巡り、口にした炊き出しは全52食。空腹を満たすことはできても、そこに足りなかった『何か』とは――」と内容を説明。

   内容の一部について、炊き出しを提供していた具体的な地域名とメニュー、さらにそこで出会った人物について、仮名とともに「借金から逃げるために路上で暮らす」「都庁下に住む」とするなど、個人を特定できうる記述が含まれていた。

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