留学生の受け入れが専攻内で議論になっていた
この教授の行為について、教職員就業規則の「大学法人の名誉又は信用を著しく傷つけた場合」に該当するとし、副学長は、「本学教員としてあるまじき行為であり、かかる行為は決して許されるものではなく」と断罪した。
しかし、実際の処分は、7月29日付で出勤停止3日にするというものだった。
東大新聞の25年1月21日付ウェブ版記事によると、メディカル情報生命専攻でも、外国人の割合が年々増え、博士課程では、外国人の約8割が中国人留学生だという。
こうしたことから、専攻内でも、その受け入れが議論になっていた。日本人学生を増やすべきとの意見のほか、留学生が多いのは問題だとする教員らもいたという。中国人留学生が多く多様性が損なわれているとの声も出たが、学部からの進学が少なく、受け入れざるを得ない状況もあったのではないかともいう。
東大新聞が初報後に行った意見投稿フォームには、そもそも中国当局による検閲がおかしいとする声のほか、中国共産党の関係者が紛れ込んでいる可能性やスパイとして協力を求められる危険性を指摘する意見も寄せられた。
とはいえ、記事では、「こうした意見は言論の自由が重要だという大前提と、情報統制を悪意を持って利用した行為の問題性という次元の異なる事象を並行して論じようとするものだ」として、今回の問題を切り離して考える必要にも触れている。
この問題を受けて、大学内には、問題に抗議する立て看板が中国人留学生によって立てられたという。「東大大学院、中国人受験生を差別するな」と訴えるもので、記事では、看板を制作した留学生2人にもインタビューしている。
こうした経緯があるにもかかわらず、東大は、この問題を受けての発表であるかを明かしていない。
東大のコミュニケーション戦略課は8月5日、J-CASTニュースの取材に対し、「専攻や研究室といった非常に小さい範囲になりますので、個人が特定されかねません。本件については、本学の公表内容がすべてとなります」と答えた。六四天安門の問題についても、「調査結果に関しましては、それに基づいて学内でしかるべき措置を行いました。個人が識別されてしまいますので、調査結果などの詳細は開示していません」と述べるに留まった。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)